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青石の精霊術士  作者: 下町
本編
16/46

変更事項

 食堂の席は特に決まっていない。各々がその日、その時の気分で好みの場所に座る。トルクは昼食をロビーとリーンと並んで座って摂った。同じ畑当番だったという事もあり、作業の進め方を話し合うためでもあった。夕飯も同じような頃合に食堂へ来たので、何となく相席で落ち着いた。


 ロビーがスプーンを指先でくるくると回す。食堂の調理場側、奥のテーブルである。

「今日は芋を植えたんだが、明日は何するんだろうな?」

パンを千切りながらリーンは首を傾げる。

「確か、果実野菜の手入れをして豆の取入れだったかな。今日種を受け取りに行った時に、そんな事を言っていたような気がする。」

ずずず、とトルクはスープの器に口を付けた。ふうと離す。

「果実野菜、まだまだ青かったな。伸びた蔓を幾つか切ればいいのか。」

 すぐ横を、リトが通り過ぎる。空いた食器を片付けるために運んでいるらしい。他にも何人かの精霊術士が食事を摂っており、ざわめきや食事の音が流れている。


「トルクは居るか?」

 よく通る声が食堂を通り抜ける。反射的にトルクは振り返り、ロビーとリーンはそんなトルクに注目した。

「あっ、はい。ここです。」

慌てて口の中のパンを飲み下し、席を立つ。

 食堂の入り口に、かっちりとした正装を纏った人物が立っていた。明るい朱の肩当ての布に、それを留める紐飾り。白に近い金髪を後ろに流している。精霊宮の事務係の1人、ロントだった。

 ロントはトルクの傍まで歩いてくる。先日休みの確認をして以来に会うので、数日振りだ。

「トルク、明日から当番変更だ。君は別の仕事をする事になる。」

トルクは思わず間抜けな声を出してしまった。

「へっ、豆……じゃない、畑当番ではないんですか?」

ロントは力強く頷く。リーンがスプーンをスープから上げた。

「じゃあ、畑の人数は減るんですか?」

今度は、ロントは首を横に振る。手元のメモを見た。

「いや、当番繰上げでラフィが入る。」

「ラフィが?」

ロビーが食堂の中を見渡した。今、ここにラフィは居ないようだ。

 ロントはもう一度頷いて、手でさっとトルクを示した。

「明日の朝、掃除が終わったら城へ行くように。」

「城に?」

何故か、トルク、ロビー、リーンの声が揃った。

 登場人物が増えていく……。

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