短編の間#6- 金魚すくい、金を包み
掲載日:2026/02/06
浮浪者の瀬田川純次は河川敷の草むらで寝ころび、雑音で目が覚めた。
川沿いで夏祭りが催されているのを知った。
気の向くままに、光り輝く世界に足を踏み入れようと思う。
ドンドンと太鼓の音がうるさい。せっかくいい夢を見ていたのに
辺りの暗さで夏祭りの活気がより際立つ。
どうせなら行ってみるか。別に何も買うつもりもないが
提灯の明かりで俺がバレてしまう。
浴衣を着こなす男女や面をかぶる子供らとすれ違う。
横目で人だかりを見つけた。どうやら金魚すくいのようだ。
水槽を囲むように客が舌なめずりをして、金を探す。
中には手を水に突っ込む者もいて、見て見ぬふりをしてやった。
ところで俺は、道端の石ころを拾った。
結果、磨いて宝石にした俺の勝ち。




