第3話 『砦建築計画、始動! 領地改革チームの本格稼働』
エヴァレント領の八つの町を巡り、問題点を洗い出した翌日。
ロイドは執務室に集まった仲間たちを前に、緊張した面持ちで立っていた。
その横で、レベッカは分厚い資料を机に広げる。
「では──本日より、領地改革の第一段階を開始します。
最優先は“防衛線の構築”。魔物被害を抑えなければ、何も始まりません」
レベッカの声は、いつも以上に鋭く、力強かった。
◆ 各町に砦を建てる「雇用プラン」◆
レベッカは地図を指し示す。
「八つの町それぞれに、小規模な砦と監視塔を建設します。
これにより、魔物の侵入を早期に察知し、被害を最小限に抑えられます」
ロイドは頷く。
「でも……そんな大規模な建築、できるのか?」
「できます。
建築技師ラウルさん、設計士グレンさん、そして──新たに召喚した設計士を投入します」
レベッカが手を上げると、ひとりの女性が前に出た。
◆ 新キャラ登場:《設計士》サラ(SR)◆
「設計士のサラです。街づくりと砦の構造設計が専門です。
よろしくお願いします、領主様」
柔らかな金髪を揺らしながら、サラは丁寧に頭を下げた。
見た目は穏やかだが、手に持つ図面はびっしりと書き込まれている。
「サラさんは、砦の“効率設計”に長けています。
短期間で建てられ、かつ防衛力の高い構造を作れる優秀な人材です」
レベッカの説明に、ロイドは感嘆の声を漏らした。
◆ 各町にリーダーを配置◆
レベッカは次に、八つの町の名前を読み上げる。
「各町に“現地リーダー”を配置し、指示系統を一本化します。
ロイド様は全体の指揮、私は参謀として全体管理を行います」
● グレイヴ村:バルド(防衛工匠)
「砦の基礎は任せとけ!」
● ミルダの丘:ラウル(建築技師)
「水路と砦、同時進行でやってみせる!」
● ハーベン町:ミーナ(交易案内人)
「商人が戻りやすいように、砦の位置も工夫するよ!」
● ロックフォード:サラ(設計士)
「鉱山の地形を活かした砦を作ります」
● サンリーフ村:フィオ(素材採取家)
「薬草と素材、砦の材料も集めてくるね!」
● ウィンデール:グレン(設計士)
「風害対策の砦、任せてくれ」
● オルド街:エルナ(狩人)
「治安と魔物対策、両方やるわ」
● 中心街:レベッカ(参謀)
「全体管理は私が行います」
ロイドは胸が熱くなった。
「……すごい。本当に、領地が動き始めてる」
レベッカは微笑む。
「ロイド様の決断があったからです。
では次に──警備兵の導入について」
◆ 警備兵の採用と配置◆
「魔物対策には、職人だけでは不十分です。
各町に“警備兵”を配置し、砦と連携して警戒網を作ります」
ロイドは頷く。
「領民の中から志願者を募ろう。
給金は……なんとか捻出する」
「問題ありません。税制改革で予算を確保できます」
レベッカは迷いなく言い切った。
◆ ゲルドラン公爵側の動き◆
その頃──帝都ゲルドラン邸。
「……エヴァレント領が動き始めた、だと?」
公爵ゲルドランは、報告を受けて眉をひそめた。
「はい。領主ロイドが何か新しい力を得たようで……
職人を次々と雇い、改革を進めているとのことです」
「ふん……あの小僧が?
どうせ長くは続くまい。半年以内に潰れる運命だ」
公爵はワインを揺らしながら、不敵に笑った。
「だが念のため……“次の手”を打っておくか」
その目は、冷たく、鋭く光っていた。
◆ 改革は始まったばかり◆
エヴァレント領では、砦建築の準備が急ピッチで進んでいた。
ロイドは高台から町を見下ろし、深く息を吸う。
「……絶対に守る。
父さんが命を懸けて守ったこの地を」
レベッカが隣に立つ。
「ロイド様。
改革はまだ始まったばかりです。
ここからが本当の勝負ですよ」
ロイドは力強く頷いた。
「行こう。みんなで、この領地を救うんだ」
こうして、エヴァレント領の大改革は本格的に動き出した。




