第2話 『職人ガチャ、本格始動! 領地改革チームを編成せよ』
女神から祝福を受けて数日。
ロイドの生活は、まるで別世界のように忙しく、そして希望に満ちていた。
「ロイド様。毎日ガチャを回し、分野ごとに人材を配置していきましょう。
領地経営は“適材適所”が基本です」
レベッカは書類を片手に、いつもの冷静な口調で言う。
「俺も……領主としてもっと学ばないとな」
「もちろんです。領地経営術、税制、軍略、農業、商業……
毎日少しずつ学んでいただきます」
「うっ……やっぱり厳しい……」
「当然です。参謀ですので」
ロイドは苦笑しつつも、覚悟を決めた。
◆ 毎日ガチャで仲間が増える!◆
ロイドは毎朝、光の輪に手をかざし、ガチャを回す。
そのたびに光が弾け、新たな職人が現れた。
●《建築技師》ラウル(SR)
「任せてくれ! 橋も家も城壁も、全部作り直してやる!」
●《狩人》エルナ(R)
「魔物の動きは私が探る。狩りも偵察も得意よ」
●《設計士》グレン(SR)
「効率的な街づくりなら私の出番だ。無駄のない配置を考えよう」
●《地図師》ロッタ(R)
「この辺境、地図が古すぎるのよ。私が全部描き直すわ!」
●《素材採取家》フィオ(N)
「えへへ……薬草とか鉱石とか、いっぱい集めてくるね!」
次々と現れる職人たちに、ロイドは驚きと期待で胸がいっぱいになる。
「すごい……これなら、本当に領地を立て直せるかもしれない」
レベッカは頷く。
「ええ。ですが──現状を知らなければ改善はできません。
まずは領民の声を聞きに行きましょう」
◆ 領民の住む町を巡る調査へ◆
エヴァレント領には、大小合わせて八つの町がある。
ロイドはレベッカと数名の職人を連れて、町ごとの問題を調査することにした。
◇
① 《グレイヴ村》──魔物被害が深刻
「最近、夜になると魔物が近くまで来るんだ……」
バルドが腕を組む。
「ここは防衛線を強化する必要があるな」
◇
② 《ミルダの丘》──水不足
「井戸が枯れかけていて……作物が育たないんです」
マルコが土を触りながら言う。
「水路を引けば改善できる。建築技師と協力しよう」
◇
③ 《ハーベン町》──商人が来ない
「道が荒れてて、誰も来てくれないんだよ」
ミーナが耳をピクピクさせる。
「新しい交易路を作れば、すぐに商人が戻るよ!」
◇
④ 《ロックフォード》──鉱山の崩落
「鉱山が危険で……採掘ができないんだ」
フィオが目を輝かせる。
「素材の宝庫なのに……もったいないね!」
◇
⑤ 《サンリーフ村》──病気が流行
「薬草が足りなくて……」
フィオが手を挙げる。
「任せて! 薬草、いっぱい採ってくる!」
◇
⑥ 《ウィンデール》──風害と家屋の老朽化
「風が強くて家が壊れそうなんだ」
ラウルが図面を描き始める。
「耐風構造の家を建て直そう」
◇
⑦ 《オルド街》──治安悪化
「最近、盗賊が増えて……」
エルナが鋭い目で周囲を見渡す。
「私が見張り網を作るわ」
◇
⑧ 《エヴァレント中心街》──税の不満
「税が重い! 生活が苦しい!」
ロイドは胸が痛んだ。
「……ごめん。必ず改善する」
レベッカは静かに言う。
「税制改革は最優先です。
領民の信頼を取り戻すためにも」
◆ 課題は山積み、だが──◆
八つの町を回り終えた頃、ロイドは疲れ切っていた。
だが同時に、胸の奥に強い決意が芽生えていた。
「……やるしかない。
この領地を、みんなを……絶対に救う」
レベッカは微笑む。
「その意気です、ロイド様。
ここからが本当の“領地改革”の始まりですよ」
こうして、ロイドと仲間たちの本格的な再生計画が動き出した。




