詩小説へのはるかな道 第44話 新しい世界へ ― 子猫の旅立ち
原詩:新しい世界へ ー 旅立つ詩
屋根の上で
母猫は星を数えていた
子猫に向かって
ひとつの秘密を告げる
向かいの家には
まだ夢を信じる子どもたちがいる
もし運命が微笑めば
お前の居場所になるだろう
子猫は
母の瞳に映る夜空を見つめた
そこには厳しさと
やさしさが同居していた
「覚悟とは
自分の声を信じることだ」
母はそう言い残し
屋根の影へ消えていった
残された子猫は
小さな声で未来を呼ぶ
ニャーンと鳴くその響きは
新たな扉を叩く合図となる
向かいの家は見知らぬ世界
恐れと希望の交わるところ
子猫は震える足で
新しい世界へ歩きだした
注:昔読んだ詩に、母猫が子猫に旅立ちをうながすものがあった気もします。
その場合、言葉遣いなど違っていると思いますが、念のため記します。
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詩小説:新しい世界へ ― 子猫の旅立ち
屋根の上で、母猫は静かに星を数えていた。
夜空は冷たく澄み渡り、街の灯りが遠くに瞬いている。
子猫は母の横で丸くなりながら、その仕草をじっと見つめていた。
「ひとつ、ふたつ……」母猫は声に出さず、瞳の奥で星を刻んでいく。
やがて子猫に向かって、ひとつの秘密を告げた。
「向かいの家には、まだ夢を信じる子どもたちがいる。
もし運命が微笑めば、そこがお前の居場所になるだろう。」
子猫は母の瞳に映る夜空を見つめた。
そこには厳しさとやさしさが同居していた。
母の声は、夜風のように柔らかく、しかし確かな重みを持っていた。
「覚悟とは、自分の声を信じることだ。」
母猫はそう言い残すと、屋根の影へと消えていった。
残された子猫は、しばらく動けずにいた。
母の言葉は胸の奥で灯火のように揺れ、その小さな心臓を温めると同時に震わせていた。
やがて子猫は、未来を呼ぶように鳴いた。
「ニャーン」――その響きは小さくとも、夜を切り裂くほど確かで、新たな扉を叩く合図となった。
向かいの家は、見知らぬ世界。
恐れと希望が交わる場所であり、子猫にとってはまだ遠い夢のような存在だった。
屋根から降りる瞬間、星がひとつ流れた。
それは母猫が数えていた星の続きであり、子猫への合図のようでもあった。
子猫は震える足で歩き出す。
石畳の冷たさが肉球に伝わり、心臓の鼓動が夜の静けさに重なった。
家の中では、子どもが夢の中で微笑んでいた。
その夢に、子猫の声が届いていた。
「新しい友だちが来る」――そんな予感が、子どもの眠りにやさしく溶け込んでいた。
子猫は知らない。
ニャーン と鳴いたその声が、見知らぬ世界の扉をすでに開いていたことを。
夜は深まり、街は静まり返る。
しかし子猫の小さな足音は、未来へと続いていく。
母の言葉を胸に抱きながら――新しい世界へ。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:新しい世界へ ― 子猫の旅立ち
屋根の上
母は星数え
声なきに
瞳の奥で
夜を刻みぬ
「覚悟とは
自分の声を
信ずること」
風の重みを
子に残しゆく
流れ星
母の数えし
続きなり
震える足で
石畳を行く
夢の子は
微笑みながら
眠りつつ
「友来る」との
予感を抱けり
ニャーンと鳴き
見知らぬ扉
開きたり
小さき足音
未来へ続く
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




