表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

タイトル未定2025/05/12 20:56

父が亡くなり

初めて夫婦位牌というものがあると知った

仏具屋に母の戒名がある位牌と

父の戒名のある木の位牌を持って行った

老齢な受付の女性が受付表に記していく

慣れた様子だ

私には初めてのことでも

彼女にとっては日常的なことなのだ


一週間ほどで出来ると聞いて帰る

木の位牌をもう一度仏壇に戻す

「父ちゃん、母ちゃんと同じ位牌に名前書いてもらっとるからね」

泣けてきた

こんな言葉を言うだけで泣けてくる

どうしてこんなに泣けてくるのか

理由は介護をなんだかんだで十三年やりくりしたから、と言えばそうなるだろう

今はただ母と父の戒名が並んだ位牌ができあがるのを待つばかりである


位牌ができたと電話がありさっそく受け取りに行った

家に帰ってから仏壇の前でまじまじとそれを見つめた

母の横に父がいる

戒名の並んだ位牌を置いた

なんだかほっとしたような気持になった

涙はでなかった

昼過ぎて買い物へ行ってさんまの蒲焼の缶詰を買って供えた

父が好んでいた魚だ

合掌をした

魂入れの日を待ちながら



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ