表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フラれて始まる君との恋  作者: るち
22/66

頼みごと

耳をすましていると、玄関から話し声が聞こえる。この声は...。


「こんにちは。」


またもやツバキだった。タイガはうんざりしたが、無視するわけにもいかないので適当に挨拶をした。


「どうも。」


「ツバキからもタイガに言ってもらったほうがいいと思って。」


「〇〇のことも。俺たち、もちろん部屋は別だ。」


「そうよ。私、カツラみたいな男は好きにならないわ。自分より綺麗な男って気持ち悪いし。」


「あ、そう。気持ち悪くて結構。」


 タイガは二人の顔を交互に見た。嘘は言っていないように感じた。ツバキのことは知らないが、カツラのことはよくわかっているつもりだ。もし嘘なら、平気な顔でこんなことを言う人間ではないはずだ。


「わかった、信じるよ。」


「よかった。」


カツラはほっとした表情を見せた。話の区切りがついたところでツバキがタイガに視線を向けた。


「誤解が解けたところで、折いってお願いがあるの。カツラには話したんだけど、あなたの了解がないと無理って言われたから。」


「え?なに?」


カツラが横ではぁと大きなため息をついた。タイガも身構える。ツバキの頼みなどいいものであるはずがない。


「〇月〇日に友人の婚約パーティーがあるの。そこにカツラを一緒に連れて行ってもいいかしら?」


「パーティーの主催者はカツラの友人でもあるのか?」


「違うわ。でもカツラは私の数少ない男の友人でしょ。エスコートしてほしいの。見栄えはいいしね。」


「他の友人じゃダメなのか?」


「カツラが一番頼みやすいの。それに先日の酒の商談での借りを返してもらわなきゃ。」


正直タイガは嫌だった。即答しないタイガに痺れを切らしツバキがまくし立てる。


「友人として行くだけだから別に問題ないでしょ?そんなに心配ならあなたもくる?」


ツバキは全く引く気はないようだ。見栄えがいいか。先に婚約する友達に対する女の見栄なのだろう。女は面倒だなとタイガは思ってしまった。

タイガがだめだとはっきり言えば、カツラはツバキの誘いを断るだろう。しかし、カツラは交友関係も広そうで、今後もこういうことがあるかもしれない。いちいち目くじらをたてていたら、カツラに愛想をつかされかねない。タイガはこれ以上は押し問答になると思い渋々了承した。


「いいよ。行って。二人を疑っているわけじゃないし。」


「ありがとう。全くやましいことなんてないから安心して。」


自分の目的を果たし、ツバキは帰って行った。





「悪い、タイガ。出張で貸しを作ってしまった。強く言えなくて。」


「いや、いいんだ。誤解も解けたし。ところで、酒の仕入れは思い通りにいったのか?」


「まぁね、ツバキには助けられた。腹へったな。外に食べに行くか?」


 タイガとしてはとりあえず不安はなくなったので、その後二人きりでカツラの自宅ですごしたかった。

いいかげん彼と触れ合いたかったのだ。だからカツラが外に出ようと提案したのは意外だった。


 外食は楽しかった。出張先でのやり取りをカツラは話してくれた。

時計を見るとまだ夕方だったが、カツラがタイガの体を気遣って早めの解散となった。なんといっても一昨日、一日でここから〇〇まで往復したのだ。まだ疲れが残っているだろうと。名残惜しさ胸にタイガはカツラと別れた。今日はキスはなかった。

読んでくださりありがとうございます。

続きが気になる、面白かったなど思われましたら、是非是非☆評価、応援よろしくお願いいたします。

楽しんで読んでいただけるようがんばります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ