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無限の可能性 進化と退化の軌跡 Let's Monster Battle  作者: 夕幕
第1章 昇格と準備期間

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第3話 初めての合成、そして進化

 俺とブルーは初めてのダンジョン、初めての戦闘を終えて家に帰ってきた。

 そこで俺は戦利品の確認をする。

 倒したゴブリンは全部で16体、ゴブリンメイジが1体。

 この倒したモンスターは二種類の活用法がある。

 捕まえるか合成素材にするかだ。

 モンスターを捕まえる方法は倒すこと。

 合成素材のベースとなるモンスターも倒すことで手に入る。

 今、俺は倒したゴブリン16体とゴブリンメイジ1体を掴めるのか合成素材のベースにするのか考えている。

 ちなみに捕まえたモンスターを後から合成素材にすることもできる。

 後になってもっと強いモンスターが手に入った場合とかもあるからな。


 正直、Fランクの昇格条件であるモンスターを3体掴まえるを達成する為に2体くらいなら捕まえてもいいが、ゴブリンは正直いらないんだよな。

 ゴブリンの進化ルートは固定されていて、最終的にゴブリンキングになれる。

 ゴブリンキングは序盤のランクが低い時には重宝するが、Eランクくらいから戦力としては弱くて使えなくなる。

 ゴブリンに他のモンスターを合成して強くしたプレイヤーもいるけど、俺にはブルーがいるからな。

 良い合成素材はブルーにつぎ込みたい。

 やっぱりゴブリンを捕まえるのは無しだな。

 今すぐにFランクに昇格しなくても特別困ることは無いし。

 ゴブリン16体とゴブリンメイジ1体は全て合成素材にしよう。


 さてと、問題はここからだ。

 ブルーとゴブリンを合成するかどうか。

 ブルーは俺が何を考えているのか察しているのか、大きく震えて拒絶反応を示している。

 これは困ったな。

 正直、ブルーの攻撃力が低すぎてブルーだけで戦いを進めるのが難しい状況なんだよな。

 ゴブリンも弱かったから何とか戦えたけど、このままじゃ一生初心者用ダンジョンを卒業できない。


 プルン、プルン


 ん、ブルー?

 ブルーが何やら変なことをしているなと思ったらゴブリンメイジの合成素材(杖)で遊んでいた。

 とうとうブルーが退屈になって合成素材で遊び始めちゃったよ。

 でも、何だかブルーがプルンプルンと体を揺らして合成素材で遊んでいるの可愛いな。


 プル、プル、プルン


 どうやらブルーはただ遊んでいる訳では無さそうだ。

 俺の足にゴブリンメイジの合成素材(杖)を押しつけてくる。

 他のゴブリンの合成素材には見向きもしていない。

 何かを俺に伝えようとしているのかな。

 ブルーに確認してみると、小さく震える。

 どうやら合っているみたいだ。

 ゴブリンの合成素材(小角)には見向きもせず、ゴブリンメイジの合成素材を俺に押しつけてくる。

 もしかしてブルーが俺に伝えたいことって・・・。


「ブルーはゴブリンメイジの合成素材(杖)となら合成してもいいのか?」


 プルン、プルン


 小さく体が震える。

 つまりはOKということだ。

 ブルーから承諾を得られたので、俺はブルーとゴブリンメイジを合成する。

 まずはブルーのステータスウインドウを開く。

 次に合成の項目を選択し、合成素材としてゴブリンメイジを選択する。

 完了を押すと床に転がっていたゴブリンメイジの合成素材(杖)がエフェクトをまき散らしながらブルーに吸い込まれていく。

 光が収まるとさっきと何も変わった様子が見られないブルーがいた。

 見た目は何も変わっていない気がするが、ステータスには変化があった。


 ブルー(スライム、一般種)Lv3

 HP:100

 物理攻撃力:3

 物理防御力:8

 魔法攻撃力:1

 魔法防御力:2

 素早さ:1

 SP:2

 スキル:体当たりLv2、マジックシールドLv1、プチファイアLv1


 ゴブリンとのバトルでブルーのLvが2上がっている。

 その為、SPが2に増えている。

 今回、ゴブリンメイジとの合成で新しく得たのは魔法適正だ。

 通常のスライムは魔法適正が無く、魔法攻撃力が0。

 しかし、魔法適正を得たことで魔法攻撃力が1になった。

 それからスキルとしてプチファイアLv1を取得している。

 プチファイアは魔法火属性攻撃スキル 威力10。

 クールタイムが少しあるが、体当たりと併用して使えば、何とか戦えそうだ。

 体当たりもLvが2になって威力が5から10に上昇した。


『ブルーが特殊進化条件を満たしました。進化させますか? はい いいえ』


 ここで急に目の前にウインドウが現れた。

 どうやらゴブリンメイジを合成したことがきっかけでブルーが進化条件を満たしたようだ。


 モンスターを進化させる方法は二つある。

 1つはモンスターのLvを10の倍数まで上げる。

 もう一つが特殊な条件を満たすこと。


 今回のブルーが完全に後者だ。

 まだLvは3なので前者の条件は満たしていない。

 恐らくブルーは魔法適正を得たことかプチファイアを覚えたことで進化条件を満たしたのだろう。


 ブルーはスライムでLvが3。

 これなら仮に弱くなっても誤差の範囲。

 進化させても問題はないな。

 ブルーも小さく震えて、進化できるようになったことを喜んでいる。

 よし、ブルー進化だ!


 俺は目の前に表示されているウインドウの「はい」を選択した。

 その瞬間、ブルーの体が赤く染まり、まるで火花が弾けるように輝き出す。

 光が収まり――そこには、かすかに炎のゆらめきをまとった、新たな姿のブルーがいた。

 少しして光が収まるとそこには先ほどまでとは全然違う姿のモンスターがいた。


 赤い球体のようなモンスター。

 プルン、プルンしている。

 間違いなく、この感じはブルーだ。

 俺はすぐにブルーのステータスウインドウを開く。


 ブルー(フレアスライム、一般種)Lv1

 HP:130

 物理攻撃力:3

 物理防御力:8

 魔法攻撃力:8

 魔法防御力:5

 素早さ:2

 SP:2

 スキル:体当たりLv2、マジックシールドLv1、プチファイアLv1、火属性耐性Lv1


 おお、ブルーの魔法攻撃力と魔法防御力が上昇している。

 あ、素早さも1上がってる。

 これは地味に嬉しい。

 それに火属性耐性Lv1を新しく取得している。

 火属性に特化したこの進化は大当たりと言っても過言ではない気がする。

 ここまで強くなれば『ゴブリンの集落』以外のダンジョンでも戦えそうだ。

 ※()()()進化していない一般種Lv1の平均的なステータスです。


 早速進化したブルーのレベリングといきたいけど、今日はもう遅いし、レベリングは明日にしよう。

 それに床に散らばっているゴブリンの合成素材(小角)をどうにかしないとな。

 どうせ使い道は無さそうだし、ショップで売却してポイントを増やそうかな。

 ポイントを増やしておけば、今後いろいろと重宝するだろうし。


 このゲームは使わなくなったモンスターや合成素材をショップで売却することができる。

 売却するとポイントが手に入る。

 このゲーム専用の通貨みたいなものだ。

 このポイントはいろいろなことに使えて、プレイヤーは常にポイントを欲している状態だ。

 ポイントの一番の使い道はモンスターや合成素材の購入だろう。

 ポイントさえ積めばショップで簡単に最強種である幻想種の竜を購入できる。

 あくまでもポイントがあればの話だが。

 竜をショップで購入しようと思ったら最低でも数兆ポイントは必要となる。

 まあ買えない竜は置いといて、ショップは他にもモンスター用の武器や防具、チュートリアルで無償配布されている召喚石なども買える。

 珍しいものだとモンスターの卵なども売っているが、買うプレイヤーはまずいない。

 孵化させるのが面倒、生まれてくるモンスターは召喚石同様にランダム。

 時間を掛けて孵化させた卵から雑魚モンスターなんかが生まれたら目も当てられない損失となる。

 卵は1個1,000,000ポイントするが、召喚石は1個1,000ポイントで買える。

 どちらを買った方が徳か誰が見ても一目瞭然。

 その為、プレイヤー間の鉄則は”要らない合成素材は積極的に売る、欲しいものは頑張って買う”だ。


 ウインドウからショップにアクセスして俺はゴブリンの合成素材(小角)16個を売却した。

 それで得たポイントは16。

 ゴブリンの合成素材(小角)1個で1ポイント。

 まだ駆け出しのGランクとはいえ、これはひどい気がする。

 16ポイントじゃ何も買えないし!


 とりあえず、今日の所はこれで終了。

 進化したブルーのLv上げはまた明日だな。


「ブルー、今日はお疲れ!また明日頑張ろうな」


 小さく体を震えさすブルー。

 きっと明日も頑張ろうって言ってるんだろうな。

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