表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/29

噂語らうケモノ

   




 



 イレーヌさんのこと、知っている?


 ええ、聞いたわ…最近ようやく元気になってきたって。




 あの頃は随分と塞ぎこんでいた様子だったから不安だったけど…この間なんかとても上機嫌でネコの餌やりをしていたわ。


 あら、あれからまたネコを飼ったの?


 あの火事で旦那も愛猫も失って…落ち込んでいたときは目も当てられなかったけれど…ようやく立ち直れたってことかしら?


 いいえ、餌をあげていたのは野ネコなんだけど……またそれとは別にちょっとあるみたいなのよ。


 え?





 私見たのよ…あの宿を出入りしている男性客の姿を。


 それは私も見たわ! 遠目で見たけどイレーヌさんよりも若くてイケメンの!


 イケメンの客!? 是非見てみたいわ!  


 それがね…思わず尋ねてみたんだけれど、どうやら旅中に怪我を負ったらしくて…本人が大した傷じゃないがしばらく屋敷で療養させてくれって頼んだらしいわよ。


 何だかワケありみたいね…


 そうらしいのよ、腕とか脚とか包帯まみれだってのに…でも医者には見せなくて良いとか言っているらしくて。


 本当に怪しいじゃない? けどイレーヌさんたらそんな客を受け入れてるどころか献身的に介助してあげてるみたいなの!


 それってつまりは一目惚れしちゃったってこと?


 さあ…だけど人目も憚らず腕を組んで歩いていたり、目を離さずにいたりと…とにかくこんな小さな村なのに常に一緒に行動してるのよ。


 最愛のものを失った反動で、新たな恋に燃え上がったのかしらね。


 まあその辺は私たちには関係ないけれど…でも彼女が元気になってもらった方が、良いものね。


 そうね。やっぱりこの村にはあの宿がないと困るものね。

 







    


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ