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星と世界 1

全2話で、この世界の設定です。

読み飛ばしても何も問題ない短編です。

虚無


そこには何も存在していなかった。


正確に言うならば、何の物質も存在していなかった。


しかし、小さな小さな流れは存在していたのだった。


小さな小さな流れは互いにぶつかっては、時に打ち消しあい、時に合流し、様々な大きさの流れを作っていくことになった。


そしてある時、とてつもなく大きくなった流れと流れが正面からぶつかり合うことになった。


本来であれば互いに流れを打ち消しあい、負けた方が消えて勝った方は小さくなるだけであったが、それらの流れは大きすぎた。


故に、打ち消しあう直前に双方の流れが持つエネルギーはぶつかり合う場所で極大化し、初めての物質が生まれることとなった。


それ(・・)は世界となり、同時に『神』と呼ばれる意識体を生み出した。


生まれた世界は、世界と同時に生まれた『神』により形づけられていった。


そして虚無に漂う流れはこの後、幾つもの小さな小さな世界を無数に生み出すことになっていった。







ある世界では、星々は大樹のような構造をしていた。


そこでは大元となる星がたどった歴史が大樹の幹となり、枝分かれした先々では少しずつ状況の違う歴史を持つ星が枝となり葉となり実となり、大樹を彩っていた。


またある世界では、世界にたった一つだけの星が存在していた。


そこでは超常の力を持つ者たちが互いに競い争い合う、修羅の星となっていた。


そしてある世界では、世界の中に数多の星々が独立して存在していた。


星それぞれに個性が有り、生物がいる星もあれば何も無い星もあり、時には星同士が何らかの繋がりを形成したりしていた。


世界がどのような内容になるかは最初の『神』のみぞ知ること。


そして世界に星が生まれたのであれば、1つの星に対して1つの『神』が作られるのは全ての世界に共通したルールだった。


星の大きさによって、作られる『神』も強さが変わってくる。


しかしそうして星と共に作られた『神』は所詮、世界の始まりと共に発生した『神』が星々を管理する際の代行者でしかない。


同じ『神』で現されるけれども、そこには歴然とした隔たりは存在している。


故に全ての世界において『神』は1柱しか存在しない。








また、こうして生み出された世界ももちろん、永遠のものでは無い。


世界が存在していられるのは、大きな流れ同士がぶつかっている間だけ(・・・・・・・・・・)


いずれ流れは向きを変え、あるいは力を失い、ぶつかり合いで生まれていたエネルギーは消えてしまう。


それが世界の終わり。


ぶつかり合った流れが徐々に向きを変えていくのであれば、世界は波が退くように徐々に徐々に消えていくだろう。


ぶつかり合った流れが打ち消しあって弱まるのであれば、世界はある時唐突に消えてしまうだろう。


もっとも、虚無は広大無辺。


当然、そこに存在する流れの規模もとてつもなく広大である。


人の世ではかるのであれば、世界の寿命は数十億年から数十兆年といったところだろうか。


虚無ではほんの僅かな、それこそ瞬きに満たない時間。


しかし世界の中の存在にとっては永遠にも近い長い長い時間。


こうして虚無では、数多の世界が生まれては消えていくのであった。

お読み頂きありがとうございますm(_ _)m


補足①基本的に『異世界渡り』は文字通り『虚無の中に漂う世界と世界を渡る』技術になります。

補足②基本的に『神』と表現される存在は、始まりの『神』の手下、星の管理代行者になります。そのため数え方には「柱」を用いません。

補足③「世界」という表現は、虚無に浮かぶ世界と、その中に存在する星にすむ生物が暮らす環境、のいずれかを現します。従って短編毎に意味が変わる可能性があります。


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