一条花梨 1
全五話予定です。
とある街中の早朝、一人の少女がツインテールを揺らしながら歩いていると、
「花梨、おはよう!」
「おはよう、桃子~」
道の途中に立っていたおかっぱ頭の少女、桃子と合流したのでそのまま一緒に登校することに。そうしてたわいもない会話をしていると、
「お、花梨に桃子だ!おはよう!」
「おはよう、里香ちゃん」
「おはよう、里香~」
目印のポニーテールを揺らしながら走ってくる少女、里香とも合流。いつも一緒に行動している三人が揃ったからか、会話もわちゃわちゃと盛り上がり、気がつくと学校に着いていた。
「それじゃ、また!」
「うん、またね」
「また放課後~」
中学校に入ったときに同じクラスでよく話していたことから、3年に進学したときにクラスが分かれても朝や放課後によくつるんでいる三人組だった。
そして退屈な授業を受けた後、放課後になるやいなや、
「花梨!いるか!?」
「いるよ~」
里香が教室に突撃してくるので、苦笑しながら私も返事して教室を出る。そして桃子と合流したら街へと繰り出すのが私たちの日常。そして今日はマクマクでハンバーガーを頬張りながらのおしゃべりとなった。
「でさ、あの教師ときたら・・・」
「そうなんだ、見掛けによらないね~」
「いやいや、こっちの教師もなかなか・・・」
「わーお!」
なんてたわいもない遣り取りをしながら、
「そう言えば近所でどこからか悲鳴が聞こえることがあるとか」
「あ、その噂は私も聞いたことあるよ」
「へ~、そうなんだ」
「でも不思議なのはこの後で、悲鳴が聞こえたことを連れに確認すると、本人以外は誰も聞いていないんだって」
「幻聴あつかいされるから、最近はネットにしか情報がないのよね」
そうして話しながら店を出て、三人揃って帰り道を歩いていると、
「誰か、助けてー!!!」
という悲鳴が聞こえてきた。
しかし少女達を含め近くに居た人達は誰も反応することなく、三人はそれぞれお別れをして家に帰っていった。
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