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次目が覚めたらそこは新たな異世界です…  作者: 冴え冴えしいたい焼き
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第1章 〜異世界転生リファレード編〜 前編

こんにちは冴え冴えしいたい焼きです!

初めて小説家になろうで投稿してみました。

今回投稿したのは異世界系です。

試行錯誤しながらこつこつゆっくり投稿してこうと思うので是非みていただけると嬉しいです!

 実際には認知できないが、この世界には数えきれない程の派生した世界、パラレルワールドが存在する。

 

何十、何百、何千、何億…………と世界は広がっているが、その中で俺達はたった1つの世界しか見ること、体験することができない。


 俺達は俺達が住むそのたった1つの世界で色々なことを思い、学び、日々成長しながら生き抜いて行かなければならない。それが誰かも分からない神によって与えられた人類への使命らしい。


 そんなしょうもないことを考えながら、今日も俺にとって特に変わったことなんか何も起こらない1日が過ぎ去ろうとしていた……



 俺の名前は宮岸優裏(みやぎしゆうり)。どこにでもいる大学生だ。

 人生特にこれといって頑張ってきたこともなく、人に見栄を張れることなんて何1つとしていない。ただこれだけは言える。

 

 17時、今日も俺にとってごく平凡な1日が終わろうとしている最中だ。


「ただいまぁ!」

 玄関の鍵を開ける音がすると同時に、今日も母が仕事から帰ってきた。


「優裏ぃ、どこぉ?今日のご飯はカレーよぉ♪」

 帰って早々騒がしいなと思いながら、俺はいつも通り母を無視している。


「きゃあ♪ 優裏ぃ!」

 俺を見つけた途端、母は思いっきり抱きついてきた。


「分かったから離れろよぉ!」

 こんな感じでいつも元気がない俺に対し、母は最大限のテンションで接してくれる。

 鬱陶しいなと思いながらも、心のどこかではなんだかんだ有り難く感じていたし、そんな母に俺はいつも感謝していた。


「今日学校どうだった?」


「いつも通り」


「ふ〜ん」

 とか言いながら、今日は学校に行っていない。学校行っても友達いないし、学校なんて溜まり場は特に、みんな周りに合わせたがるから、ちょっとでも一人でいるやつとか目に入ると何もしてないのに不審に思ってくる。

 

 別に学校に限らず世間はみんなそうだ。自分が少しでも敵視されるのが怖いからって、集団行動絶対主義的な考えに陥り、それがあたかも当然のように振る舞っている。だからみんな自分から変化を望まないし望めない。まぁ俺も世間から見たらその中の1人に過ぎないけどさ……

 


 21時、風呂に入り夕食を食べ終えた後、俺は暇でゲームをしていたが、もう寝るだけの状態だった。

 俺はこう見えて早寝早起きと規則正しい生活を心がけている。ただ、どうしても明日が来てほしくない。

 楽しいことなんざ何も起きず、社会に揉まれて帰ってくる毎日にうんざりしていた。何よりこんな世の中嫌いでしょうがない。

 

 もし明日が来なければ……今やってるこのゲームみたいに世界が崩壊すれば……

 俺は昔からよく心の中で破壊衝動に駆られることがある。

 物事をマイナスに捉え思い詰めてしまう時、気付けばいつもこんなことを考えてしまっている。


 23時、俺は布団に入るといつもの通り中々眠れないでいた。

(明日が来てほしくない。このまま朝目覚めなければ…いや、過去にもっと頑張っていれば、今こんな思いしなくて済んでいたのかもしれない……でも、どんなに苦しい思いをしていても、ちゃんと俺には帰る場所があるし家族もいる。それだけで十分幸せだ…)

 

 こうして毎日のように色々思い詰めてしまうが、最後は何とか自分を肯定し、気づいた時には寝てしまっている。

 

 そして明日が来る。

 これが俺の寝る直前の毎日ルーティーンだ。

 そして、これだけは最も強く願っている。


「もし異世界に行けたのなら…」


 もし異世界へ行けたら、新しい環境、新しい世界でもう一度人生をやり直せるのではないか?

 

 まだ若いんだし、別に今からでも遅くない。みんなはそう言うけれど、過去の大きな後悔の数々を思い出すと、どうしても広い世界へは一歩踏み出せずにいた。


 こんな自分が嫌いだ。自信がない自分が誰よりも嫌いだ。

 それでも俺はこうして何とかここまで生きてきた。

 

 だから…だからこそこの世界ではもう精一杯生き抜いた。

 もしも次の世界があるのなら行ってみたい。異世界で、もう一度……


 完全に眠りについた時、寝ている俺の側で誰かが優しく微笑んでいた気がした。


「おやすみ…」



 暗闇の中に突然太陽の光が真っ直ぐと差し込み、ゆっくりと目が覚めた。


 そこは、いつもと同じ朝…いつもと同じ景色………

 「じゃない!どこだここは!?いや落ち着け、どうせ夢オチに違いない」


「お前さん、そんな姿で大丈夫か?」

 知らない男性が何か心配そうな口調で話しかけてきた


「だ、大丈…夫じゃないです!?」

 

 俺は自分の身体を見ると、寝る前に着ていたはずのパジャマを着ておらず、辛うじてパンツだけは履いているという状態だった。

 (は、裸ぁ!?やばい、周りにめっちゃ見られてる…)


「あ、あなたを逮捕しますっ!」

 突然目の前に現れた女警官は俺を見て恥ずかしそうな表情をしながら腕に手錠をつけてきた。


「ちょっと待っ!?」

 (って、よく見たら耳が尖っている。さっきの男も、これはエルフってやつじゃ…もしやここは妖精の世界なのか!?)


「とにかく一度王宮に連行します!いいですね?」

 

 そう言うと村の女警官の背中にあった小さな羽が突然大きくなり、裸の俺を担いで空を飛んだ。


 こうして俺は何もかもよく分からないまま王宮へと連れていかれるのであった。


 王宮に連れて行かれる最中、俺は頭の中で現状を整理しようとしていた。

(今更だけど、俺って異世界に転生したのか!?夢が叶った!この世界で新たな人生を歩めるぞ!逮捕されたけど…)


 どんな形であれ異世界へと転生できたことに最大の喜びを感じていると同時に、俺の中で今までにないわくわく感がみるみる内にやる気へと変わってきているのがはっきりと分かった。


(にしてもこの感覚、これは紛れもなく夢とかいう次元じゃない。現実だ。そもそもどうして俺は異世界に転生できたんだ?俺が寝た後、何か人?の気配を感じたような、感じなかったような…)


 異世界に転生できた理由、ここはどこなのか、それに注目すべきは異世界だというのに言語が全く同じで言葉が通じたこと。

 全くもって謎だらけだ。


 そんなことを考えている内に、俺は王宮へと辿り着いていたのだった。


 王宮の周辺はいかにも豪華な建物だらけであり、まるで昔雑誌で見た海外の街並みを生で見ているようでマジに圧倒された。


「ふぅ〜、やっと着いたわ」

 俺を担いだまま30分以上は飛んでいたか?お疲れ様と一言声をかけた方が良いのかもと思ったが、何せ飛んでいる最中一言も会話していないし、とても不機嫌そうだったのでやめておいた。

 

「もう、どうして私だけこんな目に…裸の男担いで飛んでいるとこなんかを皆さんに見られて…お嫁に行けない…」

俺はなんかすみませんという気持ちでいっぱいになった。


「ほ、ほら行くわよ!」

俺は言われるがままに女警官の後ろに着いて行き、王宮の門の側まで歩いて行った。


「……あ、あのさ、ここってやたら妖精?が多いけど、妖精の国か何かなの?」


「馴れ馴れしく話しかけないでちょうだい!それに目上には敬語を使いなさい!いいわね?」


「は、はい。すみませんでした」


「………ここはまぁ人工的に妖精が最も多く住んでいる国ね。でも妖精以外にも様々な種族が住んでいるわよ。う〜ん、しかし君みたいなのは珍しいわね?」


「それってどういう…?」


「どういう…?」

女警官は俺を睨みつけた。


「どのような意味ですか…?」


「色んな種族が住んでるから至って珍しいことじゃないけど、君のようにどことなく私達妖精に似ているのに、耳はまん丸で羽も生えていない種族は見たことがないってこと。まぁ私もこの国の全てを見てきたわけじゃないから、案外君と同じ感じなのも住んでいるかもね」


「は、はぁ…」


「何よ。何か文句でもあんの?」


「い、いえ…ございません」


会話が途切れそうなタイミングでちょうど王宮の側まで辿り着き、門の前には一人の兵士が立っていた。


「お待ちしておりましたリン様。 王がお待ちになっています。 こちらへどうぞ」


 女警官の名前はリンというらしい。

見た目は20歳ちょいすぎくらいで、長く下ろした金髪の髪の毛に水色の瞳が特徴的だ。


 兵士は王宮の門を開き、俺を王様の元へ連れていった。


「ここが王の部屋です。 決して失礼のないように」

リンは一言頷いた後、またしても俺を睨みつけた。


「失礼します!」

ドアを3回叩き王の部屋に入っていくリンに俺は着いて行く。


「連れて参りました。 それでは私はこれで」

王様「あぁ、ご苦労だったなリン 。今日はゆっくり休め」


「ありがとうございますゼクス王! 是非そうさせてもらいます!いい?ゼクス王の質問にちゃんと受け答えするのよ!もし変な真似をしたら、部屋の側を守っているラウドさんがあなたを一瞬にして切り殺すと思いなさいよね?」


「は、はい…」


 リンが言うに、先程の兵士はラウドというらしい。

 20代後半くらいか?赤い髪の毛に茶色の瞳をしており、ツンツンしているツンデレリンとは対照的で、いかにもクール系な印象だ。


 にしてもリンは今日の分の仕事が終わったのか、少し嬉しそうな様子でその場を後にし、部屋の中では俺とゼクス王の1対1という状況になった。


「さて、君は何度目だ?」


 どのような処罰を宣告されるのかと少し緊張していたが、ゼクス王が俺に対して最初に放った言葉はとても以外なものであったと同時に、俺には意味がわからなかった。


「えっと…?」


「いや、何でもない。 前にも似たようなことがあった気がしただけだ」


「は、はぁ…」


「それよりもまずは服だな。 一応ここは神聖な場所。 いつまでもその姿なのはよろしくない」


そういうとゼクス王は突然俺に銃口を向けた…



「は!?待っ!?」


「発射〜紳士服〜 《ショットイン・スーツ》」


 バンッ!銃で撃つ音が鳴ると同時に俺は目を閉じた。

 

 何も見えない真っ暗な空間の中、俺はもうここで死ぬんだと、いともあっさり受け入れた。


 元々俺の人生には後悔しか残っていない。

 それでも毎日何とか生き抜いていることが何よりも辛く、そんな気持ちを抑えながらこれからも生きて行かなければならないと思うと、いつも心の中にあるコップ的なものが溢れそうになっていた。

 

 異世界に行きたいという夢が叶ったし、もう思い残すことはない。だから、ここで死んで楽に……

 

 銃弾の先端が胸元に触れた感覚が微かにあった。

 しかし、全く痛みを感じなかった。

 俺はまだ死んでいないい…死ぬ直前は時間が長く感じるという現象は、まさにこのことなのだろうか?

 

 何かおかしいと思った俺は、一度閉じた目をゆっくりと開けてみた。

 すると、約1秒前に俺の視界に広がっていた王宮の景色と何も変わっていない。しかし、1つだけ変化した点でいうと、俺はいつの間にかスーツを着ていた、ということだけだ。

 

「どうだ驚いたか?」


「は、はい…!」

 

 異世界転生に欠かせないと言っても良いメインイベント、魔法を体感できて俺はとても感激した。

(これぞ異世界!まぁ目瞑ってたから実際に使ったとこ見てないし、確信はないけど)


「これは魔法銃、自身の魔法力を弾に込めて放つものだ。そして私の能力は物質創造魔法。簡単に言えば、生命のないものであれば何でも創り出すことができるのだ。どうだすごいだろ?」

王様は自慢げに魔法銃に関する説明と自身の魔法能力を解説してくれた。


「す、すごいです…!因みにこの国では皆んな王様みたく魔法使えるんですか?」


「いいや、この魔法銃がないと基本は使えない」


ここで俺は一つ疑問を抱き、それについて王様に質問する。


「でもこの国の妖精、空飛んでたし…」


「良い疑問だ。確かに種族によっては魔法に似た芸当ができるものもいるが、それはあくまで生まれ持って必然的にできることにすぎない。私達妖精が空を飛べるのも妖精だから皆飛べるだけであって、魔法とは一切関係はない」


「なるほど。納得しました。ありがとうございます」


「うむ。それでは本題に入ろう。ここは妖精が住む国、リファレード。お前にはこの国を守る兵士の1人になってもらいたい!」


ーつづくー

最後まで読んでいただきありがとうございます。

内容がかなり大雑把な部分が多いですが細かいところは物語が進むにつれ明かしていこうと思います。

それとまだ考え途中なので何とも言えませんが、今後の展開を少しネタバレすると…ちょっと鬱な感じになるかもしれません。

そして主人公の能力はサポート系…?になるかもしれません(笑)

まだまだ未熟すぎですが今後ともよろしくお願いします!

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