ひのきのぼうと盾とオーク
「グォォォォォ!!」
「ちょ、思ったより早いって!」
オークが巨体を揺らしながら勇者に突進してくる
「やばい!操作魔法 第1式 クグウ!!」
「!?」
オークの突進が勇者にあたる……
「へへっ、俺の盾は便利だろ?なぁ!ユウ!」
「あんた鬼だよ…」
勇者は操作魔法でユウをを盾にしたのだ
「グォ!?」
オークは驚きのあまりひるんでいる
「今だ!操作魔法 第1式 クグウ!」
至る所からひのきの木が勇者の周りに集まってくる
「ふん!!」
オークの周りにひのきの木が積まれる
「ユウこの木を燃やせ……」
「はいっす!炎魔法 第1式 ガラン!」
プスプス
「何やってるんだ!?早くしろ!」
「この木燃えないっすよ!!そんな訳あるか!!
ひのきは燃えやすいはずだぞ!!」
「勇者さんの魔法のせいで効かないんっすよ!!」
「じゃぁ、俺がやる!どうやるんだ!」
「魔法はセンスって言ったじゃないっすか!
そんな簡単に使えないっすよ」
勇者は仁王立ちをし指の骨を鳴らし出す
「………………………!!!」
ボッ!!
勇者の目の前に小さな火ができる
「へっ、簡単じゃねぇかよ。行け!!」
ひのきに火がうつる
「グォォォォォォォォォ!!!!」
灼熱の火にオークは囲まれる
「俺の勝ちだ」
「勇者さん……僕の被害が大きすぎるっす」
「まぁ勝ちは勝ちだ!ついでにオークの丸焼きも
出来たぞ!飯だ!飯食うぞ!」
「は、はいっす……!」
その頃魔王は
「え、まじ!?勇者ひのきのぼうだけで
オークに勝ったの!?」
「い、いえ、魔法が使えるようで…」
「え、勇者の魔法はひのきの木かひのきのぼうか
人間しか使えないようにしたよね!?」
「それが、人間を盾にしてひのきの木を燃やして
勝利したようで」
「人間を盾にしたのか!?
アイツ本当に勇者なのか…?怖くて仕方ないな…」