ひのきのぼうと呪いと奴隷
「…(町も落ち着いたし装備を買いに行くか)」
「お、勇者の兄ちゃんじゃねぇか!さっきの活躍見たぜぇ〜さすがだな!!」
「ありがとう…」
「今日は武器かい?盾かい?」
「この銅剣をひとつ…」
「了解!50Gだ!」
「…(高いな)」
勇者は渋々と財布から50Gを出し銅剣を装備しようとする。すると…
カラン…
「…(?)」
カラン…
「…(なぜだ)」
シャキン
「…」
カラン…
「…(なぜ)」
シャキン
「…(なぜひのきのぼうしか装備ができない)」
「勇者の兄ちゃんそれ呪われてるんじゃねぇのか?1回教会に行って見てもらいな!」
「ありがとう…」
ここから教会はかなり距離がありさらに勇者は神父を苦手としていて中々行こうと思えなかった。
「…(背に腹はかえられぬ、しかし王様から頂いた物が呪われてるってどういうことだよ。この町と魔王繋がってるんじゃないか?いやまずこんなド田舎な町は魔王も興味無いか)」
色々考えてる間に教会に勇者は着いた
「神父様…お久しぶりです」
「勇者かの…どうしたんだい」
「このひのきのぼうを見て欲しくて…」
「ん?なんだこれは…とてつもなく禍々しい何かを感じるぞ…この教会ではこんな魔力の強いものを処理することは出来ん。」
「そう…ですか」
「だがの、北の街のカイトなら出来るかもしれん
あやつに頼ってみてはどうだい」
「わかりました、ありがとうございます」
ギィバタン
「…(あのクソジジイ馬鹿なのかよ!これから北の街までひのきのぼう1つで戦える訳が無いだろうが!)」
北の街はこの街よりは大きく海があり山があり観光地にもなるほどの場所である
「…(薬草だけでも買うか」
「いらっしゃいませ〜今日は何のご用で!」
「50Gで買えるだけの薬草を…」
「分かりました薬草10個ですね!ありがとうございました!!」
「…(行くか)」
この町の外は魔物だらけだがランク的にはG〜Fの低級な魔物が多い
きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!誰かぁ!!
黙れこのクソアマ…!
「…(なんだ?)」
勇者が声の元に駆けつけると子供とその親らしき人が山賊3人に襲われていた
「げへへへ、子供は売って女は貰いましょうぜ」
「そうっすね!親分!そうしようっす!」
「お前たち馬鹿なのか!女の首元を見ろあのネックレスを付けてるということはな!きっぐへぇ!!」
「親分!?」
「いってぇ…だれごふ!」
「ちょ、しゃべらごへぇ!」
「…(なんだコイツら弱すぎまないか)」
「親分!大丈夫っすか!って逃げんな!おい!あっ親分まで!!」
「…」
勇者は残った山賊をゴミのような目で見ながらひのきのぼうで殴り続ける。
「ぐは!ごへぇ!あべし!ぐえぇ!」
「勇者様!そのくらいにしましょう猛反省もしてると思いますし……ねぇ?」
残された山賊は必死に首を縦に振る
「そうか…お怪我はないですか?」
「はい!勇者様のおかけです!ほらたくちゃんも!」
「ありあとー!!」
「気をつけて帰って下さいね…」
「ありがとうございます!」
「…………」
山賊はこっそり逃げようとしている
「何逃げようとしてるんだ?俺はすこぶる機嫌が悪いんだ苛立たせるな」
そう言って右足にひのきのぼうの強烈な一撃が入る
「ぐはぁ!!」
「おい山賊、手持ちにある物全部出せ。」
「はいっす…」
ポケットからはG以外にもネックレスや指輪なども出てくる。
「よし…これは売るか。」
「ぇ、勇者ですよね?返さないんっすか?」
「金が無いんだよ!こっちは!まだ殴られたい
か!」
「ひぃぃ!」
「ちっ……めんどくせぇ」
「とりあえず僕は帰らしていただくっす」
「は?何言ってんのお前今日から俺の奴隷だから。とりあえずその台車に俺を乗せて北の街まで運べ」
「えぇ!?北の街ってここからどれだけ距離あると思ってるんっすか!てか、奴隷ってなんすか!!」
「殴られるか奴隷の2択だ。どっちがいい」
「台車に乗って頂いてもよろしいでしょうか」
「……(よし、これで1人仲間【奴隷】ゲットだ)」
その頃魔王は
「勇者あれ装備したんだろ〜?じゃぁしばらく暇だなぁ。おいミゼルを呼んできてくれ」
「側近様でしょうか?かしこまりました」
「お呼びでしょうか魔王様」
「おぉ!ミゼル!暇だからオセロをしよう!」
「……魔王様、まだたんまりとお仕事はありますのでそちらの方をして頂ければありがたいんですが」
「知らぬ知らぬ!早くするぞ!」
「1回だけですよ…?もう…」
くっ!もう1回だ!ミゼル!!
弱すぎて相手になりません
頼む!!もう1回だ!
最後ですよ…