第二部までのあらすじ
画策し、王になったシーマ。しばらくは平穏な年月が流れた。
きっかけは五年後。
シーマは反乱分子の粛清をしようとして失敗する。また、同時期に王妃ディアナの妹のヴィナスと恋仲になり、妊娠させてしまうことに……。それを知ったディアナは城を飛び出した。
ディアナが向かったのはエデン島。エデンを支配する侯爵エンゾの元へと。エンゾが預かっていた父王の遺言書を発見し、ディアナは王位を主張し始めた。
やがて、女王となったディアナは廃城となったローズ城に居を構え、国は二分されることになる。
シーマ対ディアナ。
シーマとの対立を深める中、ディアナはエンゾの子を妊娠してしまったことを知る。悩み苦しんだ末、ディアナが選んだ決断は出産だった。
時間の壁を通り、過去の暁城にて出産。その後、暁城城主アナンとの間に二児をもうける。十二年間、子育てし元の時代へ戻った。
ローズ城へ帰城後、ディアナはまず、成人した長男カオルと再会した。そして、反シーマ派を集める。国防大臣アスターの暗殺を目論んだ。アスターを狙ったのは、シーマの地位を確固たるものにしたと思われたからである。カオルをリーダーに集められた六人は時間の壁を通り、シーマが王になる五年前へ向かった。
しかし、アスターの暗殺はあえなく失敗。次にディアナが取った行動は卑劣であった。妹のヴィナスに毒を盛ったのだ。
二十四時間以内にシーマを裏切れば、解毒する──これに対し、ヴィナスは死を選んだ。最愛の息子シオン王子を魔女のリゲルに託し、ヴィナスは秘密を内包したまま、逝ってしまう。シオン王子はディアナの魔の手から逃れ、二十五年前のローズ城で養育されることとなった。かつての謀反人イアン・ローズの正体はシオン王子だったのである。
そして、ヴィナスの死を悼む余裕もなく、シーマも毒に倒れてしまう。
アスターはシーマを救うため、イアンとサチを伴い、不死の霊水を得る旅に出る。
数々の冒険を経て霊水を得たが、シーマは目覚めず、一年が経った。
アスターの娘ユマにプロポーズ中のサチの元へ、とんでもない知らせが舞い込んでくる。グリンデルの女王が自らの落胤であるサチをこちらに寄越せと言っていると。速やかに渡さねば、攻撃すると──




