表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/42

プロローグ





 この世界が、普通の世界ではないと・・・乙女ゲームの世界だと気づいたのは、物心ついたときだった。


 きっかけは、大好きな兄様に婚約者が出来たこと。


 そのことを知らされたとき、まるでスイッチでも切り替わるように、私・・・アリア・ミューラーは前世の記憶とも呼べるものを思い出した。そして、自分の立ち位置も。

 『アリア・ミューラー』は、兄様が大好きで大好きでたまらなく、その思いが暴走して兄様のルートでヒロインの邪魔をする悪役令嬢だ。が、記憶を思い出した今、そうなる確率は0といっていい。


 なぜなら、そう! 私は、このゲームはヒロインが最推しだからだ!!!!!


 貴族の学園生活を舞台にしたゲームで、伯爵令嬢のヒロインは、生まれてくる性別を間違えているとファンの間でも言われていた。



 「攻略対象? 全員抱いた」



 まるでそう言わんばかりのかっこよさに、ファンの間では最大の人気キャラだった。

 そう、王子や公爵家の跡取りなどという攻略対象よりも、圧倒的に人気だったのだ。もちろん、私も例外ではない。

 そして私は、攻略対象の一人。公爵家の長男であるアーダルベルト・ミューラー兄様のことも大好きだった。こちらはゲームのキャラとしてだけではなく、妹として純粋に過ごした期間もずっとずっと好きだったのだ。


 お似合いの二人の婚約を喜ばずして何を喜べというのか!!!!!


 そういうわけで、私はヒロイン・・・ミーシャ・レスフォート様のことを姉様と呼び慕うという名誉を、存分に喜んでいた。ミーシャ様はいつか姉になるのだ。もちろん、彼女の選択次第では、結ばれる相手が兄様以外になる可能性もあるけれど、今のところはその予定もないのだから、何の問題もない。


 優しい兄様と、優しい姉様。優しい二人に囲まれて、私の転生人生はいたって順風満帆だった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ