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第3話 3度目の召喚

2日目です。

いよいよここからが3度目の召喚、本編となります。

 

 ――めまいに襲われ、気づくと俺の体が白く光っている。

 手を見ると、指先が少しずつ透き通っていく。

 またか、またなのか。

 勘弁してくれよ、これじゃ何度やってもきりがない。

 次第に薄れていく自分の手を見ながら俺はつくづくそう思った。





「おお、目覚めましたのじゃ!」


 意識を回復して目を開けると、俺は石の台の上に寝かされていた。

 辺りを見回すとお決まりのパターン。

 俺の周りを大勢の人間が取り巻いている。

 その中でも一番俺の近くに居るローブを着た幼女。

 小学3年生ぐらいに見えるが、まさかこの子が今回の召喚の責任者なのか?


「事情を説明してもらえるか?」


「おお、言葉が通じますのじゃ」


 俺が話すと幼女や周りの人間が驚いている。

 そりゃ通じるよ、チート能力の一つに言語相互理解があるんだから。

 動物やモンスターは無理だが、エルフなどの亜人や魔人とだって会話は通じる。

 ついでに言えば文字や文法も一度習えば忘れない。

 これもチート能力の一つだ。

 学生時代にこの能力があれば語学のテストはどれほど楽勝だっただろうね。


「それはいいからここがどこで、誰が何のために俺を召喚したのか教えてくれ」


「なんと、自分が召喚されたことも分かっておるのじゃ」


 幼女が更に驚いている。

 そりゃ分かるだろうよ、三回目ともなればいい加減ね。

 面倒だから話をサクサク進めてもらえると助かるんだが。


「――わたくしからお話ししましょう」


 幼女の後ろから金髪碧眼の超絶美少女が現れた。

 来たよ、これまた王道パターン。

 勝手に呼び出した男に言うこと聞かせるには美少女に相手させるのが一番ってか。

 どこの世界でもそうなのかね。


「ここはファルジス王国の王都、バルード城。私は王女のフェイリアと申します」

 

 そう言って美少女は優雅にお辞儀をした。

 年は中学生ぐらいか、今までの世界ではお目にかからなかったほどの美しさだ。

 だが王女の穏やかな態度に反し、周囲の兵士たちは俺への警戒を解いていない。

 こいつらなかなか優秀な兵士だな。


「俺は姓は竹村で名が弘人だ。それで、何のために俺をここへ呼び出した?」


「タケムラ=ヒロト様。いま、世界に大いなる災いの影が迫っております。それを打ち払う為に勇者を召喚するべし――といういにしえの言い伝えに従い召喚の儀式を行ったところ、ヒロト様が現れたのです」


 はあ、やっぱりか。

 いったいどこのどいつの差し金だ?

 人を便利屋扱いしやがって。

 俺に何回世界を救わせたら気が済むんだよ。

 そう考えるとムカついてきた。


「大いなる災いねえ。で、なんで俺がそれを打ち払わなきゃならないんだ?」


「え……なんでと言われましても、古の予言に従った結果ですので……」


 俺の言葉は完全に相手の予想外だったらしい。

 この国の王女だという美少女はすっかり狼狽うろたえてしまっている。


「お主の口のききよう、王女様に向かって無礼であろう!」

 

 取り巻いて見ていた連中の中から女騎士が出てきて怒鳴りつけてきた。

 困っている王女をみていたたまれなくなったんだろう。

 茶色のショートヘアでボーイッシュだが、なかなか美形だ。

 ただ残念ながら絶壁なのが服の上からでも分かる。

 胸が無いくせに相当気は強そうだが。

 

「アンタは?」


「私は王室騎士団に所属するナタリスだ。お主を監視する役目を言いつかっている」


 監視、ねえ。

 まあ別にいいけど、最初から敵意を向けるのは得策じゃないと思うけどな。

 アンタら俺の力が必要なんじゃないの、違うの? 


「そっか、よろしくな。それで王女さん、さっきの質問の答を貰ってないぞ」


「その口のきき方を改めろと言っている!」


 ナタリスが俺の態度に更に腹を立て、腰に下げた剣に手を掛けた。

 周りの兵士たちも反応して一斉に身構える。

 うーん、面倒くさい、どうしようか。

 これぐらい相手にするのは容易いが、ここで力を見せていいものか。

 下手に実力を知られて引っ込みつかなくなると困る。

 勇者だった俺が人類の敵認定とかされたらギャグにもならないしな。

 ここはとりあえず大人しくしておこうか。

今日はもう1話投稿予定です。

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