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Vanitas vanitatum  作者: イヲ
第十話
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白ノ修羅の産声

「……ある、じ?」


少女は、静かに、だが確かに頷き、「夢の中で申し上げました」と囁いた。


「この――」


袖から細く白い手を差し出し、手のひらを見せる。


「私の手を取ってくださり、そして貴方がここにいるということ自体がその証。貴方はその呪いを一身に受けてしまった」

「……呪い」


琳の、低い声が真の耳朶に触れた。

今にも刀を抜こうとする殺気が、この部屋を満たす。

少女の前に立ちはだかるスーツの女は、冷えた目で琳を見据えた。


「いきり立つな。呪いを受けることを承諾したのは、そこの――少年だ」

「……真?」

「……そうだよ。おれは、もう一度、もう一度でいいから兄さんたちに会いたかった。遺物には、なりたくなかった、から……」

「遺物になりたくない?それは、どういう――」


琳の問いに、今まで黙っていた高峯がようやく重たげな口を開く。


「今まで処理した遺物――。あれは、機械と人間が融合したもの『だけ』ではない。それは知っているだろう。琳」

「……」

「遺物とは、過去の人間の過ち。それを総称して遺物と呼ぶと教えてきた。しかし、現実(・・)は違う。この国を侵しはじめているのは、遺物だけではない」

「高峯殿の仰るとおり――。この国は、確かに侵されている」

「なに、に?」


恐恐とふるえる声を押して、真が問うた。

少女は凛とした瞳でまっすぐ見据え、くちびるを開いた。


()です」












それは身近に、人間の一番近くに、それはいる。

もうじきだ。

もうじき、それは『形』と『容』を手に入れるだろう。




これ(・・)を行うために、観世水の分家――紅葉賀(モミジノガ)が要した時間……。

それは、短くはない。

幾度も幾度も犠牲を払い、そして手に入れた、『それ』――。

あの時、葵重工の屋上で手に入れたものは、決定的な材料に相成った。


それは、真の『血液』。


これ以上、死に近い物質はあるまい。

『死』に吸い寄せられるものは、死霊、悪霊…。さまざまな、『呪いの結末』。





真は、(スメラギ)の血脈。





その輝ける魂を餌に、神々が吸い寄せられてゆく。





光煌くこの世界を、暗闇の底に叩き落せ。

全人類を憎め。

全人類を呪え。

全人類を祟れ。

神よ。

すべての神よ。


この狂った生物、狂った世界に制裁を――。

ここまで読んでくださったかた、ありがとうございます。


一旦ここで終わりです。

ですが、まだまだ続きます。


前々から書いてみたかった、「神に抗う人間」がテーマ。

今作のSFファンタジーから、完全な現代ファンタジーになる予定です。

では、「白ノ修羅」へ続きます。


よろしければ、お付き合いください。


神様を信じてるっていう方は、お勧めできないかもしれません。

ある意味、意思を至上とする表現があります……。


つづきも、ホモ小説だよ!!!!!!

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