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ちょっぴり怖くてとっても不思議な小話集

卵太郎

作者: ざらめ

昔、ある所に、夫婦がいました。夫婦には、子供がいませんでした。一匹の、雄鶏を飼っているだけでした。

ところがある日、その雄鶏が、卵を産んだのです。普通のものより少し小さくて、かわいらしい卵でした。夫婦は、卵をあたためてみる事にしました。

そしてある日、卵にヒビが入ったと思うと、中から、元気な男の子が出てきました。夫婦はその男の子を、卵太郎と名付けました。

卵太郎は、どんどん賢くなりました。しかし、背は伸びなかったのです。卵から出てきた時と、全く同じ、身長、体重のまま、卵太郎は、10歳になりました。

その頃、近所にたちの悪い悪ガキがいました。小さい子供に暴力をふるったり、お年寄りに暴言をはいたり、背が低いという理由で卵太郎をいじめたり、やりたい放題でした。卵太郎は、その悪ガキ達を、こらしめてやろうと思いました。そして、落とし穴を掘る事にしました。悪ガキが出られないような、広くて深い落とし穴を。しかし、それはとても大変な事でした。何せ、卵太郎の身長は、卵程もないのですから。でも、卵太郎は頑張りました。掘り始めてから10日たった日の夕方、とうとう卵太郎は、落とし穴を完成させました。広くて、深くて、端から見たら落とし穴だなんて誰も思わない様な落とし穴を。そして仕上げに、金貨を落とし穴の上に置きました。釣りでいう餌です。卵太郎は、近くの茂みで、悪ガキ達を待つことにしました。

次の日、悪ガキ達が落とし穴の近くを通りかかりました。そして、卵太郎の計画どおり、金貨を見つけて、駆け寄って来ました。そして・・・。

卵太郎は、悪ガキ達が落とし穴に落ちたのを確認すると、跳び上がって喜びました。そして、調子に乗った卵太郎は、もっと意地悪をしようと思いました。落とし穴に土を入れ始めたのです。卵太郎は調子に乗っていたので、その作業は、すぐに終わりました。

「1日位何も食わなくても、生きてられるだろ。」

卵太郎はつぶやきました。しかしその時、卵太郎は忘れていたのです。人間は、空気がないと生きていられないという事を。

次の日、卵太郎が落とし穴を掘り返してみると、悪ガキ達は死んでいました。卵太郎は戸惑いましたが、死体をまた埋めてしまう事にしました。しかし、卵太郎が土を入れ終わった頃。

(ガシッ)

土まみれの何かが卵太郎の細い首根っこをつかみました。それは、人間の手でした。そして次の瞬間、もう卵太郎は地上にはいませんでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 何で、こう、ホラーばっかり書くのおぉ! 日本昔話を汚しちゃ駄目ー!
2010/11/18 20:04 退会済み
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