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ハンマーとネジの静かな戦い
ある日、工具箱の中で小さな事件が起きていた。
ネジが、板の前で震えている。
「今日は…回される日か…」
そこに現れたのは――ハンマーだった。
ドン。
「任せろ」
ネジは固まった。
「え、いや、ちょっと待って」
ドン。
「俺、叩くの得意だから」
ネジは必死に訴える。
「いやいやいや、回すタイプなんで!僕!回転系なんで!」
ハンマーは気にしない。
「大丈夫だ。何事も気合だ」
ドン。
「痛い痛い痛い!!!」
そのとき、静かに声がした。
「……何してるの」
振り向くと、そこにはドライバーが立っていた。
ネジは泣きそうな声で叫ぶ。
「来てくれたぁぁ!!」
ドライバーはため息をつく。
「それ、私の仕事」
ハンマーは少し考えてから言った。
「でも、いけると思ったんだよな」
ドライバーは一言。
「いけるかどうかじゃなくて、向いてるかどうか」
そして、くるくるとネジを回す。
スッ。
きれいに収まった。
ネジは安堵した。
「やっぱり…専門って大事なんだな…」
ハンマーは少し照れながら言った。
「……次は釘で頼む」
工具箱の中に、静かな平和が戻った。
くすっと笑えたので小説にしてみました・・・




