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評価される涙

彼らは泣き方を知らなかった。

正確に言えば、泣く前に評価が来た。


悲しみは投稿になり、

怒りはタグを付けられ、

正義は「いいね」の数で重さが決まった。


胸が締めつけられると、

彼らはまず確かめた。


――これは出していい感情か?

――評価されるか?

――バッドは付かないか?


「つらい」と書けば、

共感のいいねがいくつか付く。

書き方を間違えれば、

無言のバッドが沈んでいく。


だから感情は、

出る前に削られ、整えられ、無難になった。


夜、画面を閉じたあと、

胸の奥に残るものがあった。


理由のない重さ。

投稿できない形。

いいねも、バッドも、付けられない感覚。


泣こうとした。

でも涙は出なかった。


代わりに、指が動いた。


「泣けない 感情 いいね 少ない」


答えはすぐに出た。

「気にしすぎです」

「承認欲求の問題です」

「もっと前向きな投稿をしましょう」


いいねが付いた。

安心した。

だから、泣かなかった。


ある日、通信障害が起きた。

評価が消えた。

いいねも、バッドも、なくなった。


誰も感情に点数を付けてくれない。


そのとき初めて、

胸の奥の重さが、

剥き出しのまま現れた。


正しいか分からない。

共感もされない。

否定もされない。


ただ、苦しい。


泣こうとした。

でも、

泣いたときに「それでいい」と

表示される場所が、どこにもなかった。


復旧と同時に、

評価は戻った。


人々は安心して、

また感情を投稿した。


いいねが付くものだけを残し、

付かない感情は、

なかったことにした。


誰も気づかなかった。


評価が止まった数時間で、

自分の感情が

どれほど自分のものではなかったか

見えてしまったことに。

これらの文章は、酔った頭で書かれた断片です。

現実を説明するつもりも、誰かを説得する意図もありません。


読者の経験や現実と合わない部分が多いことも承知しています。

それでも、もし一行でも引っかかるものがあったなら、

それは正しさではなく、ただの感触として受け取ってもらえればと思います。

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