タイトル未定2025/12/21 20:38
霧のようにうまくいかない日々が、街全体を覆っていた。
誰もが何かを試みるが、結果は手元から滑り落ち、思考は空中でばらばらに散る。
それでも彼は、ほとんど見えない細い線を辿ろうとする。
何かが悪いわけではない。ただ、そういう世界なのだ。
それでも、手を伸ばす。
線の先に何があるのか、誰も知らない。
時折、手の先にわずかな手応えがあるような気がする。
それは確かに存在するかもしれないし、幻かもしれない。
だが、彼は確かめることをやめられなかった。
街の灯りは揺れ、空気は重く、情報は途切れ途切れで流れる。
人々は叫ぶでもなく、笑うでもなく、ただ淡々と過ぎ去る。
彼の目には、無数の線が絡み合い、迷路のように見えた。
その中で、彼はひとつの線を選び、細く辿っていく。
もしかすると、そこには何もないかもしれない。
それでも、手を伸ばす。
日々が重なり、手を伸ばすほどに疲弊していった。
線は時に途切れ、時に崩れ、手応えは次第に薄れていく。
肩はこわばり、胸は張り裂けそうで、思考は霧の中に沈む。
それでも手を伸ばすことに慣れきっていた彼は、止まることすら考えられなかった。
ある夜、ふと手を伸ばすのをやめてみた。
線を探すのをやめ、目の前にある空気の揺れや街のざわめき、足の感覚に意識を向けてみる。
特別な理由も、意図もなく、ただ流れに身を委ねる。
すると、不思議なことに、手応えは線からではなく、自分の感覚から生まれ始めた。
線に頼らずとも、歩く方向が自然にわかる。
人々や街のざわめきに溶け込むように動くと、疲弊は少しずつ和らいでいった。
霧は依然として濃く、世界は依然として混乱している。
だが、もう手を無理に伸ばす必要はない。
小さな流れに沿って進めば、少しずつ道が見えてくるのだ。
朝の光は、まだ霧の向こうにぼんやりと漂っていた。
それでも彼は歩きやすくなっていた。
手を伸ばすことだけが正解ではないと、体が静かに教えてくれる。
線に縛られず、感覚に従う。
それだけで、世界は少し生きやすくなるのだと、彼は思った。
霧は消えない。
混乱も消えない。
だが、歩くのは怖くない。
手を伸ばすのをやめ、感じるままに進めば、少なくとも自分は溺れずに済む。
小さな光を辿るように、ただ、彼は歩き続けた。
あとがき
なんとなく自分が世の中に感じている違和感を、うまく言葉にできないまま、AIに投げかけて生まれた小説です。
正解を探したかったわけでも、答えが欲しかったわけでもなく、ただ「この感覚は何なのだろうか」と確かめたかったのだと思います。
なぜか、ふとスロットに強く没入していた時期を思い出しました。
勝っても負けても、結果がどう転んでも、自分がそこに存在しているという事実だけは変わらない。
運命と言えば大げさかもしれませんが、それは抗えない必然のようにも感じていました。
その頃、いや、もっと前からかもしれませんが、感覚に従わず、無理に抗おうとすればするほど、かえって深みに沈んでいく――そんなイメージをどこかで抱いていた気がします。
最近、その感覚を強く意識した出来事があります。
バイクのフロントフォークのオイル漏れです。
修理しなければと思い、電話をかけようとするのに、どうしても気が乗らない。
結局キャンセルしてしまう、ということを繰り返しています。
何が悪いのかは分からない。ただ、状況がどこかで大きく切り替わろうとしている、その予兆のようなものを感じているだけなのかもしれません。
それは良いことでも悪いことでもなく、ただ必然的に訪れるもの。
ときどき、理由もなく「明日、自分はいなくなるのではないか」という、どうしようもない不安に襲われることもあります。
それでも、夢の続きを見るように、明日は当たり前の顔をしてやって来る。
だから今日も、何かを無理に掴もうとせず、ただ感覚のままに歩いているのだと思います。
この小説は、答えではありません。
ただ、今の自分が確かにここにいて、生きていたという痕跡です。




