光の前払い
前書き
ここ二日間、YouTubeを開くたびにauのiPhone 17のCMが繰り返し流れている。
広告そのものが悪いのではない。けれど、これほど頻繁に流れること自体が、逆に「auは危機的状況にあるのではないか」と思わせてしまう。
広告は“商品を売る武器”のはずが、今はむしろ焦りの匂いを伝えているように感じるのだ。
しかも、この頻度の高さは感覚的にYouTubeそのものの顧客離れを誘発しかねない。CMが増えれば増えるほど、日本のテレビと同じように“オワコン化”していく可能性もある。
広告の頻度をうまく調整できればいいのだが、現状では逆効果のリスクをはらんでいる。
YouTubeの世界では、動画再生から一定時間経過してから広告を挿入するというルールもまだ確立されていないため、視聴者のストレスが直に積み重なる。
作者の独自の思いで、企業に悪意はなく、ただの偏見に満ちた感想ということを強調します。
東京の夜。
会社帰りの広志は、いつものようにスマホでYouTubeを開いた。動画を押した瞬間、また同じCMが流れる。
──「新しいiPhone 17、auから。」
スキップボタンに指を伸ばしながら、彼は思う。
「またか……。毎回こればっかり。どれだけ金かけてんだ?」
広志はかつて広告代理店に勤めていた。だから知っている。
YouTubeの冒頭に流れる“確実に目に入る”広告は高額だ。連日何度も同じCMが出るなら、数十億、いや百億に届く額を投じているかもしれない。
けれど、同僚たちの会話を思い返すと、誰も新しいiPhoneを買ったという話はない。
「高すぎるよ。30万近くするスマホって、車のローンと変わらないじゃん」
「格安SIMで十分だし」
広告の熱と、現実の冷めた声。その落差が広志の胸に重くのしかかる。
窓の外にそびえるauのビル。その明かりはまだ眩しい。
だが彼には、それがまるで未来から借りてきた光のように思えた。
──来期、その灯りを支えきれるのか。
動画が再開される。
広志は溜息をつき、心の中でつぶやいた。
「広告に映る未来は、赤字で塗りつぶされているかもしれないな……」
あとがき
広告は常に、商品やサービスの魅力を伝えるための武器である。しかし、それが頻度やタイミングを誤ると、武器は逆に刃となり、顧客の離脱を招くこともある。
YouTubeの世界では、広告を挿入する“最適なタイミング”がまだ確立されていない。その未成熟さゆえ、過剰な広告は視聴者のストレスになり、ブランドへの印象を逆転させるリスクを孕んでいる。
今回の小説で描いた状況は、筆者の偏見も多分に含まれている。広告の巨額投下と売上のギャップを、物語的に脚色したものだ。
最後に参考として、iPhone 17シリーズの米ドル換算価格(1ドル=170円換算、税込10%含む)は以下の通りである。
iPhone 17 128GB:149,600円(約880ドル)
iPhone 17 256GB:168,300円(約990ドル)
iPhone 17 512GB:205,700円(約1,210ドル)
iPhone 17 Pro 128GB:187,000円(約1,100ドル)
iPhone 17 Pro 256GB:205,700円(約1,210ドル)
iPhone 17 Pro 512GB:243,100円(約1,430ドル)
iPhone 17 Pro Max 256GB:224,400円(約1,320ドル)
iPhone 17 Pro Max 512GB:261,800円(約1,540ドル)
iPhone 17 Pro Max 1TB:299,200円(約1,760ドル)
しかも、スマホでネットをするにはどの会社も大差なく、ネットをするだけならどの機種でも問題ないと感じる。
お金持ち視点でいうと、個人でiPhone 17を所有することはないだろう。高級時計を身に着けるのと同じ感覚で、ステータスや象徴として楽しむならともかく、自分から「被害者」になろうとはしないのだろうと感じる。
つまり、この小説は、広告と消費者心理の間に生じる「偏見」を筆者の視点で描いたものである。




