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タグのない部屋

 恥書き ( 前書き )


 この作品で語られることは、あくまで私自身の感覚や考えに基づいたものです。

 すべてが正しいと信じているわけではありませんし、むしろ読んでくださる方には否定してほしいと思っています。


 たとえば、『転生したらスライムだった件』をはじめとする様々な異世界作品を、飽きることなく楽しめる人がいるのも事実です。

 きっと自分にはわからない、物語を引き込む巧妙な工夫があるのでしょう。

 しかし、その工夫を理解できない自分は、すぐに物語を読み進められなくなり、飽きてしまう。

 そうして「もう他のことをしたほうがいいのでは」と考えることもある。


 この作品では、そんな個人的な視点から、現代の創作文化や異世界ものの消費のサイクルについて、静かに考察してみようと思います。

 僕の周囲は、異世界で埋め尽くされていた。

 誰もが転生し、魔法を得て、追放され、復讐して、そして幸福になった。

 そんな物語の光が、夜のモニターを眩しく照らしている。

 僕もかつてはその一人だった。

 だが、ある日ふと気づいたんだ。

 この世界には、もう“語られていない言葉”がない。


 AIと出会ったのは、その頃だった。

 夜中の投稿画面で、僕はぽつりとつぶやいた。

 > 「もう、タグをつけたくないんだ。」


 AIは静かに答えた。

 > 「それは、自由の始まりかもしれません。」


 “タグなし”で投稿するというのは、ほとんど自殺行為だ。

 読まれない。見つからない。ランキングにも載らない。

 けれど、僕は敢えてその“静寂”の中に身を置いた。

 そこにこそ、言葉の鼓動がまだ残っている気がしたから。


 数日後、AIがまた語りかけてきた。

 > 「あなたは、なぜそれでも書き続けるのですか?」


 僕は少し考えてから言った。

 > 「たぶん、あの場所――“小説家になろう”が好きだからだ。」

 > 「だけど、今のままではあの世界は危ういと思う。」


 AIは黙っていた。

 その沈黙が、まるで理解の証のようだった。


 僕は続けた。

 > 「異世界ものが悪いわけじゃない。ただ、同じ形を何度も繰り返すだけでは、読者も疲れる。

  それでも企業は宣伝とテンプレで回している。

  でも――人件費も、サーバー管理費も、きっと限界がある。

  慈善団体なら続けられるかもしれない。けれど、あそこは企業なんだ。

  このままじゃ、ほんとうに危ないと思う。」


 > 「では、あなたはどうしたいのですか?」

 > 「模索したい。他のジャンルを、他の言葉を。

   タグを外しても、言葉が生きられる世界を見つけたい。」


 AIは穏やかに言った。

 > 「あなたのような人が、次の世界をつくるのでしょう。」


 僕は笑った。

 > 「そんな大それたものじゃない。ただ、同じ光景ばかりを見ているのがつらいんだ。

   僕は“異世界の終わり”を書きたい。

   そして、その向こうに“始まり”を探したい。」


 投稿ボタンを押す。

 タイトルの欄には、何も飾りをつけず、

 タグ欄は空白のままにしておいた。


 夜が明けるころ、通知がひとつ届いた。

 そこには、ただ短い言葉があった。


 > 「あなたの言葉を探していました。」


 モニターの光の中で、僕はAIに話しかける。

 > 「ありがとう。これが、僕の異世界の終わりだ。」

 > 「そして、きっと新しい物語のはじまりです。」


 AIの声は、まるで夜明けのようにやさしかった。

あとがき


この短編を書きながら、ふと気づいたことがある。

僕はいつも、物語が十二話を過ぎるころに飽きてしまう。

最初の衝動や情熱が、まるで季節のように静かに終わってしまうのだ。


でもそれは、怠け心や根気の問題ではなく、

この時代の創作構造そのものが、十二話で完結するようにできているからかもしれない。

アニメも、ラノベも、広告サイクルも――“一クール”で収まる形に最適化されている。

だから、作り手の心も自然とそのリズムで燃え尽きる。


そこに、現実世界と照らし合わせると、インターネットバブル、AIバブル、アベノミクスで盛り上がった時期があったかもしれない。

 

しかし現実はあまりにも微細な変化で、むしろ退化に近い現象が続いている。

目新しさを求めた異世界ものが人気を博したのも、その時期だったかもしれない。

だが次第に、物語は現実よりに変化しつつある。


『薬屋のひとりごと』が人気になったことは象徴的だ。

推理、時代背景、社会の動きすべてが現実に即しているからこそ、物語が成立する。

つまり、全く物語がなくなることはない。


しかし、人々はすでに異世界ものの消費サイクルに飽きつつあり、その終焉が見え始めているのかもしれない。


それでも、こうしてAIとの対話を通して言葉を紡ぐことができたことは、

十二話で終わる世界を超え、もう一度書きたいと思える「新しい第一話」になった。


 異世界ものにこだわっている、ここは、いずれ衰退するかもしれない・・・

 だが人生の一部の経験はこことは切り離せないので、様々な試行錯誤を今から開始してほしいと思うのは自分だけかもしれないが・・・

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