第14話 魔法師ギルド
第14話 魔法師ギルド
今日の目的は魔法師ギルドだったから、すぐに魔法師ギルドに向かう。
ギルドに入ると、あれ?さっきの回復魔法の講師さんだ。見つかると厄介なことになりそうなので、うまく他人の陰に隠れながら、受付の方へ。ここでも魔法師についての一通りの説明を受ける。
魔法師ギルドの場合には、魔法属性ごとの分会みたいな組織があるみたいで魔法ギルドとして冒険者ギルドのように魔物討伐のクエストを受注したりとかはないみたいだ。でも、この世界で魔法師と言うのは一種ステイタスみたいで、富裕層からの家庭教師依頼とか、護衛や討伐などで魔法師が必要な人からの募集などあるみたいだ。
尤も、大部分の魔法師は王宮魔術師になるのが最終目標みたいで、今いる領都でも領主お抱えの魔法師騎士団になるのが魔法師の卵たちが目指す最初の目標みたいだ。俺もそう言う魔法師の卵に見られたのか、最初に説明を受けたのがそう言った話だった。一通り説明が終わった後、説明してくれたお姉さんの気分を害さないように聞いてみた。
「ご丁寧にありがとうございます。それで、魔法のことをもっと学びたいと思っているのですが、魔法関連の書籍を閲覧したり、書籍の購入などは可能なのでしょうか?」
「書籍を購入するのは難しいと思いますよ。写本でも販売予約待ちの状態ですからね。王族でもない限り自分で書籍購入することはできないでしょう。ですが、閲覧するだけなら可能ですよ。勿論、王都の魔法ギルド本部の書架と比べると少ないですが、一通りの写本は揃っています。ただ、難解な言葉ですし、自分で読んで理解できる人は少ないと思います。通常はいずれかの魔法師に弟子入りをして、師匠から手解きを受けるのが結果的に魔法の習熟、修練は早く進むと思いますよ」
「そうなんですね。無駄にはなるのでしょうが、どのような物なのか、どれくらい難解なのかを体験する意味でも、一人で閲覧させていただく訳にはいかないでしょうか?」
「勿論可能です。必ず上位の魔法師と一緒でなければならないと言う規則はありませんので。保証金銀貨1枚と閲覧料小銅貨1枚を払って頂ければどなたでも閲覧できますよ」
「それでは、よろしくお願いします」
そう言って銀貨1枚と小銅貨1枚をお姉さんに渡した。まさか、俺が銀貨を持っているとは思わなかったのか少しびっくりしてたけど、すぐに手続きを取ってくれて案内してくれた。
図書室と言うにも貧相な感じだ。図書コーナーって感じだけど、それでも各属性ごとに基本的な書籍から、専門的な書籍まで様々な書籍が置かれていた。あと、魔物にも魔法を使う物がいるみたいで、そう言った情報や、魔法耐性についての書籍もあった。魔法耐性の書籍で、魔法具と呼ばれる魔法アイテムがあることが解ったのは大きいかな。
夢が広がる。
錬金師と呼ばれる人が作り出すみたいだ。なるほど、工人系の職種で錬金師とあったのは魔法具を作る職人なんだ。金属加工系の職種かと思ってた。
ちなみに、魔法を発現する道具、魔道具と言う物を作られているみたいだ。かつて、魔道師と呼ばれる職業の人がいて、その人が作った魔道具が今も残っているらしい。
あれ?魔道師?
昨日職業神殿で、専門職の中に魔道師ってあったけど、あれって賢者の下位互換職業じゃなかったんだ。あとで職業神殿にいって職をとっておこう。
書籍数が少なかったので1時間ほどでここにある書籍全部複写してしまった。すでに賢者くんのデータベースのアップロードは完了して、各属性の魔法を使う準備は万端だ。人前で使えないから、明日にでも都市の外にでも出て魔法の使い勝手を試してみようかな。
保証金の銀貨1枚を返してもらって、そのまま魔法師ギルドを出た。受付のお姉さんに見つかったら、またいろいろ説明漬けになりそうだし、サッサと逃げるに限る。話術スキルLV5の影響だろうけど、対人スキル的に問題はないんだろうけど、心は正直だからね。長年、コミ障だった俺としては人に接するのはそれだけでストレスマックスだ。
大通りに出て、念のためそのまま城壁の方に歩いてみた。南大通りと違って、商店は少ないけど、いろんな食べ物屋とか、服屋、生活雑貨屋などいろいろ並んでいた。
そんな中、目についたのは、調合師のお店。ウインドウから見える場所に、いろんな種類のポーションが置かれている。調合師の職も取ってるし、ちょっと覗いてみる。
「いらっしゃいませ、今日はどのようなポーションをお探しですか?」
「あー、領都に来たの初めてなので、珍しいポーションが一杯だなぁと思いまして」
「そうですか。当店では親方が製薬師なので、品揃えは王都の調合師店にも引けを取らないですよ。特に、こちらの万能薬はほとんどの状態異常を治癒できますし、こちらの上級回復ポーションなどは、扱っている調合師店は少ないですよ」
「そうなんですね。ちなみにお値段はおいくらぐらいなんですか?」
「かなり効果の高いポーションですので、お値段もそれなりにします。万能薬で銀貨1枚。上級回復ポーションで銀貨2枚と小銀貨5枚を頂いております」
回復ポーションは余り必要性を感じないけど、状態異常回復の万能薬は欲しいな。手にとってじっと見ると賢者くん情報が出てきた。
名前 万能薬
効果 状態異常回復
成分 魔核、エーテル草、龍の骨粉
「龍の骨粉・・・」
賢者くん情報を眺めていて思わず口にしてしまった。
「お客さん、よくご存知ですね。そうなんです、これには龍の骨粉を使うんですよ。あとはエーテル草なども使いますが、そちらは魔力貯まりの強い場所に行けば見つけることができますけど、龍の骨は竜の墓場まで行って骨を取ってこないといけないですからね。冒険者ギルドに依頼を出してもなかなか受諾してくれる冒険者が少ないですね」
「竜の墓場ですか?」
「ええ、お客さんご存知ないですか?魔物の森の先にある、龍山脈の中にあるんですよ。場所は解っているけど、そこに行くまでに魔物の森を突き抜けないといけないですし、大荷物を持って移動とかできないですからね、結局イベントリーに入る程度しか持ち帰れないですからね。往復の旅に必要な物品もあるし。それでも、うちの親方は昔冒険者をやっていた時の仲間や、贔屓にしてくれている高LVの冒険者がいるんで時々仕入れはできるんですけどね」
「そうなんですね。俺もいつかはそう言った場所に行けるぐらいになりたいですね」
「ええ、その時には是非、うちに買い取りさせて下さい」
「ちなみに、調合に必要な器具とかあるんですか?」
「えっ?調合に必要な器具ですか?」
いきなりの俺の質問に面喰ってる感じだったけど、他にお客さんもいなかったし、いろいろ教えてくれた。
「特に特別な物は必要では人ですけど、強いて言えば調合台と秤ぐらいですかね。普通は親方に弟子入りして、調合師の職に就くぐらいまで成長したら親方から弟子に贈るのが習わしなんですけどね。でも、調合台と秤がなくても調合は可能ですよ。と言うか、調合師に就けるぐらいまで成長している頃には手分量で必要な素材の分量は解りますし、調合のやり方も調合台に素材を置いて混ぜ合わせなくてもできるようになってますからね」
「そう言うものなんですね~」
「工士であれば似たようなものだと思いますよ。弟子入りする前に10年ぐらいかけて工士になって、そこから15年、20年修行して初めて調合師になれるんですから。同じことを30年近くやってると、それなりにはなりますよ」
「やはり工士の修業と言うのは、誰か師匠に弟子入りして指導を受けた方がいいんですか?」
「そうですね、やはり腕のいい師匠についた方が、その分効率よく生産ができますし、その分ポイントが得られやすいですからね。それに秘伝の技を指導していただくこともかのうですから、やはり工士職は弟子入りした方がいいと思います。それは武士や魔士の方でも同じじゃないですか?」
あー俺のことをどちらかだと思ってるのかな。まあ、こうしたポーションを買い求めに来そうなやつっていったら、そこそこの実力者ってことなんだろうしね。
「ええまあ、そうですね。他の職の方の内情を聞くことがなかったものですから、勉強になりました」
「そうですか。それで、ポーションの方はどうされますか?」
「そうですね、また寄らせて下さい。昨日、この都市に来たばかりで今、領都の中をあちこち見ているところなので」
「そうですか。是非、またのご来店をお待ちしています」
あーそうか。俺って今日、この街で買ったボタンのついたシャツとGパンみたいなズボン、それにいい感じのブーツを履いてるんだった。パッと目、富裕層に見られるんだな。それでギルドとかでも対応が良かったのか?




