第12話 冒険者ギルド
第12話 冒険者ギルド
と言うことで今俺がいるのは、魔法師ギルドじゃなくて、冒険者ギルド。
魔法師ギルドに行こうと思って神殿を出て東大通りを歩いたらすぐに冒険者ギルドがあったので入ってみた。冒険者ギルドと言えば、ラノベテンプレのあのイベントが起こるのか~って期待しながら中に入ったけど、商業ギルドと同じ感じ。パッと目、空港の出発ロビーって感じ。ただ中にいる人は、恰好がごついし、人だけでなく亜人とか獣人とか呼ばれる所属の人が多いけどね。でも荒くれ者の巣窟って感じは全くない。
「済みません、冒険者についていろいろ教えていただきたいんですが」
並んでいる人がいない受付の所に行って話をしてみた。
綺麗な受付嬢の窓口は列ができるぐらい並んでいるのに、この人の窓口には、ほとんど人が並ばないみたい。パッと目かわいらしい顔をしてるけどね。お胸の方も可愛らしいからか?
そう言えば、他の受付嬢は座っていても、お胸がババーンと主張してるし。俺はおっぱい星人じゃないから関係ないけど。って言うかDTの俺が選べる立場でもないけどね、生で見たことないし。
って何の話だ。そうじゃなくて、冒険者についての情報収集だ。
「いらっしゃいませ。冒険者ギルドははじめてですか?どのようなことをお知りになりたいのでしょうか?」
「冒険者について何も知らないので、基本的なことから教えていただけるとありがたいです。お忙しい時間帯なら、後ほどお伺いします」
「いいえ、大丈夫ですよ。朝のクエスト受注のピークは過ぎてますし。冒険者についての基本事項ですね。まず、冒険者は冒険者ギルドに加入するとどなたでも冒険者になれます。他のギルドのように年会費などはありませんが、クエスト完了時にお支払いする報酬からクエスト難易度に従って一定の額をギルドが徴収します。その代わり、ギルドではクエストが失敗に終わった場合、一定額の保障をしますし、クエスト中に何らかの事故に巻き込まれて救出が必要になった場合ギルドとして救出クエストを出すこともあります。あと、クエスト中を含めて冒険者が得られた魔物の素材、魔核の買い取り、解体業務の代行などが無料で受けられます。あと、そうですね初心者向けの武術系、魔法系の講習を無料で受講できます。あと魔物に関する情報を無料で受けられるのと、ダンジョンに関する情報を受けられると言うのが冒険者になることのメリットですね」
「ダンジョンですか?」
ダンジョンと聞いて思わず声を出してしまった。俺の無表情スキルはあんまり役立ってないか?ってこのスキルアクティブスキルなのか、納得・・・
「え、ええ。ダンジョンですがそれが何か・・・あー、勿論この侯爵領には現在確認されているダンジョンはありませんよ。アスラ王国内でも現在確認されているのは4つしかないですし。情報は、侯爵領のみならず、アスラ王国をはじめ大陸で確認されたダンジョンの情報が集まってくると言う話です」
「ああ、そうですよね。済みません、話の腰を折ってしまって」
「いいえ。大体、冒険者の基本的な情報はこのぐらいですが、他にも疑問がありますか?」
「あー、冒険者のランクとかないんですか?」
「商業ギルドさんのランクのことでしょうか?そうですね。最初に言いましたように、冒険者ギルドでは年会費は徴収しておりませんので特にランク分けは行っておりません」
「それじゃあ、どのようなクエストでも受注できるんですか?」
「ええ、勿論可能です。冒険者の基本理念は自己責任ですから。ただ、クエストの難易度として推奨レベル帯別にクエストを張り出しています。仮にクエスト失敗の場合、ギルドの推奨レベルを無視して高レベルのクエストを失敗した場合には、クエスト失敗による違約金は100%冒険者が負担することになります。推奨レベル帯でのクエスト失敗の場合は、違約金の一部をギルドが負担したり、場合によっては冒険者の負担金が免除されることもあります。ですので、クエストを受注される場合には十分に考えて受注をすることをお勧めしますね」
「なるほど、ちなみに、レベル帯別のクエストではどのような物があるんでしょうか?」
「それは、あちらの掲示板を見ていただいた方が早いですが、そうですね、LV1だと薬草採集や都市内で完結するようなクエストですね。LV2だと森の中に入った素材採集などのクエスト。LV3ですとホーンラビットの肉や毛皮、魔核など買い取り。LV5でボアやスライムなどの討伐、あと遠方の集落からの出張依頼などや商団などの護衛任務。LV6以上の一流者になると、領府や時に王府からの依頼を受けたり、ダンジョン討伐などが多いですね」
「そうなんですね。あと、先程言われていた、初心者向けの武術、魔法講習はいつでも受講できるのでしょうか?」
「ええ、冒険者登録していただけたら、誰でも受講できます。講習は毎朝2時から始まります。今日は回復魔法講習と、剣術講習が入っていましたから受講したいならすぐに向かわれるといいですよ」
「冒険者登録は何か必要ですか?」
「いいえ、必要事項を記入していただいたらこちらの方で冒険者カードをお作りします」
「ステイタスリングの確認とかは?」
「えっ?リングの確認ですか?神殿ではないので、読みとり器具は設置していません」
「それじゃあ、偽名とかLVとか偽る人がいるんじゃないですか?」
「ええ、そうですね。でも偽っても得することはないですし。種族によっては、お名前がなかったり、出生地が不明だったりしますのであくまで自己申告で処理しています」
「それじゃあ、クエストが失敗した場合、その人のLVとかどうやって確認してペナルティーを判定するんですか?」
「それは、ギルド職員立ち会いの元、聖教会の真実の板で確認できますし、その際に偽証が判明すればその分ペナルティーが加算されますから。聖精霊様の目は誰もごまかすことはできませんよ」
まあとは言え、冒険者を続けるかどうか不明だし、この都市にずっといる訳ではないので、取り敢えずLV1で登録しておこう。出生地は神奈川なんだけど、流石にそれは書けないだろうから空欄にしておいた。
「えっと、出生地は不明ですか?」
「あーはい。生まれてすぐに両親に連れられてマルシン村に・・・」
「ああ、なるほど。でしたら、マルシン村にしておきましょう」
受付のお姉さんがあっさりとそう言いながら記入してくれた。渡されたのは、金属の板ではなく、かまぼこ板みたいな木の札だ。大きさな手のひらに収まるぐらいだけど、ちょっと拍子抜け。
「では、こちらが冒険者カードになります。なくさないようにお持ち下さい。紛失の場合、こちらの窓口で申請して下さい。こちらの小さな穴の部分に丈夫なひもを通して首から掛けるようにするといいですよ。カードを入れる専用の袋も二階の道具ショップに売っていますのでそれを利用するのもいいですよ。財布と一緒になっているのでなくすことはないですし」
「あーはい。じゃあ後で行ってみます」
「そうですね。先に講習に向かわれた方がいいですね。それでは、冒険者ライフ頑張って下さいね」
冒険者ライフって・・・別に冒険者になるつもりはないんだけど。




