キューピッドとドンダーとブリッツェン
冬の童話祭2020エントリー用の作品です。
キューピッドが渡された地図は妖精の泉でした。泉には誰もいません。だけれど、毎日ここに来るキューピッドにとってはいつものこと、ピューピューと口笛を鳴らします。
すると泉から雪の妖精が現れました。妖精はプレゼントの箱と手紙を持っており、笑顔でキューピッドに渡しました。
『親愛なるキューピッドへ。君は誰よりも優しい。その優しさにみんなが助けられているよ。サンタクロースより』
手紙を読んだキューピッドは喜んでプレゼントを開けると、中には鞍が入っていました。
「すごくお洒落! サンタさん、ありがとう!」
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双子のドンダーとブリッツェンが渡された地図はソリ置き場でした。無数のソリがドカドカと積まれていますが、いつもサンタさんと一緒にいる双子は、サンタさんのソリをすぐに見つけます。
ソリの中を覗きこむと、プレゼントの箱と手紙が置いてありました。
『親愛なるドンダーとブリッツェンへ。君達はいつも喧嘩をしているが、誰よりも仲良しな事を知ってるよ。その絆をいつまでも忘れずにね。サンタクロースより』
手紙を読んだドンダーとブリッツェンはお互いを見て、笑い合います。二人でプレゼントを開けると、中にはお揃いのベルが入っていました。
「「お揃いだ! サンタさん、ありがとう!」」