7話 白髪の少女Ⅲ
『ごめん、ごめんビックリさせたね!』
「僕は、昨日、ビックボアに追いかけられた者だよ」
「…すいません貴方のことあまり、覚えていないです…」
まぁそうだろなぁあの時この子、ずっと叩かれていて下向いていたから、僕の事覚えていなくても不思議ではない。
「ここはどこなんですか?あの2組の女の人はいないですよね?私はどうなったんですか?これからどうすればいいんですか?」
ものすごく畳み掛けるように質問されたので、僕は、彼女に落ち着いてもらうために僕が分かる範囲で答えてあげることにした。
「僕らが今いるのは、コロンの街であの2組は、ビックボアを倒したあとに、森の奥に消えて行ったよ!それから君は、殴られた後にガードにされて捨てられてたのを僕が拾って今に至る感じかな!」
「それで僕は君がいいのなら僕と一緒に冒険をして欲しいと思っている!」
「それじゃあ私は2人から解放されたという事なの。」
「そうだね。君は解放されたんだよ!」
突然少女は、泣き始めた、相当しんどかったに違いない!
「それで君は、僕と一緒に冒険に出てくれるかい?」
泣きながら頷いてくれた!
「それとお願いがあるんですけど」
「私に名前をつけてくれませんか?」
「前に名前はなかったの?」
「一様あったと思うんですけど、ノロマとか、ゴミなどと呼ばれることが多かったので、…」
よし、分かった、彼女のために良い名前を与えて上げよう。
「う〜ん…ユキとかどうかな」
雪のように白い髪だからユキにしてみたんだけど!
「はい、ユキです。」
私の名前はユキ…ユキ…ユキ。
なんだか気に入ってもらえたようだ。
僕は、ユキに気になったことを質問してみた!
「ユキ、あの2人組みは、なんであんなにユキに厳しいの?」
「あ〜の…名前がわからないんですけどなんとお呼びすればよろしいのですか?」
そうだ、すっかり自分の名前を言うの忘れてわ。
「僕は、クドウ キュータ、キューでもキュータでも、クドウでもいいよ!」
では、クドウさまで!
お二人についてですね!あの、杖で私を殴っておられた方は、通称、『モンスター潰し』と呼ばれていまして変わったモンスターやレア度の高いモンスターを収集しては、気に入らないモンスターを奴隷のように扱い壊すのでそう呼ばれているそうです!
お隣のエルフ(シビア)は、モンスター潰しのお気に入りらしくAランクモンスターで右腕として働いています。
僕は気になった事を聞いた!
「なぜユキは、気に入られなかったの?可愛いのに!」
「それは、最初の頃は可愛がられていたんですけど、ある日、エルフのシビアが他のモンスターを虐めていたんです。そのことが許せなくてそのモンスターを庇ったんです。
それから、ジビアがモンスター潰してに根も葉もない嘘を突いて私もイジメられるようになったという訳です。」
「なるほど…嫌な事を思い出させたみたいで、ごめん!」
あ、そうだ忘れてたユキのカードステータス欄に魔法があったはず出せるのか聞いてみよう!
「ユキもう一ついい?」
「はい、なんでもおっしゃってください。」
「魔法は使えるの?」
「えっと…(吹雪)と(ツララ)と言う魔法がが使えます。」
ユキに聞いたところ、(吹雪)は、相手を凍らし身動きを取れなくてする魔法で、(ツララ)は、相手の 真上からつららを落とす魔法で範囲が5メートルだそうだ。
すごく便利で使い勝手の良い魔法である。
そんなこんなでいい感じの時間になったのでユキをカードにしてから家に帰る事にした。
これでひとまず戦えるだけの戦力を手に入れた!
明日からの冒険が楽しみである!それと早いうちにクエストクリアしないと金欠で死ぬかも。
「チュン、チュン」
翌朝、さっそく僕は、ギルドに訪れていた!
今の僕には、ユキという戦力があるのでモンスターを倒すクエストに挑戦してみようと思う!
僕はEランククエスト
「スライムの雫10個」というクエストを持ってカレンさんのもとに向かった。
「本当に大丈夫なの?」
「キュータくんのステータスでは、モンスター討伐は無理よ!」
「大丈夫ですよ!僕も一様モンスターカードを持っていますので、
「そうですね!でも無理だけはしないでくださいね。」
「それとスライムは、Fランクモンスターの中で最弱なので、無理をしなければ倒せると思います。」
わかりました!頑張ってきます。
キュータ君、一様ポーションと、装備つけて行ったほうがいいわよ!今回は、モンスターと戦うから。
すみません、今、2000ベルしか持っていないので、それと僕、装備を買うお金がないのでこのまま行きます。
「まぁ僕が戦う事は無いので大丈夫ですよ。」
カレンさんには、僕が武器と防具の装備ができないことは、黙っておいた。心配かけたくないので!
カレンさんに聞いたのだが、スライムは、ダンジョンという、モンスターが一定の周期で出現する非常に危険な場所の一階層にいるとのことだった。
ダンジョンのことも説明してもらった、ダンジョンには、階層があり、低い階層では、弱いモンスターが現れ、どんどん奥の階層に行くにつれて強いモンスターが現れそれに伴い、高額なドロップ品やお宝などが出現しやすくなるそうです!
非常に危険なところなのだと再認識したところで早速、ダンジョンに入ることにした。
今僕が訪れているダンジョンは、ダンジョンの中でも一番弱いモンスターが出るダンジョンである!名前は、始まりのダンジョン階層は、5階層までしかない、小さなダンジョンである。
形は洞窟のようで下に降りるタイプのダンジョンだそうだ!
僕はダンジョンに入る前に、ユキを召喚した。
「…ユキ、オーブン!!」
「クドウさま、何かご用ですか?」
「早速なんだがスライムを倒そうと思うので力を貸してくれ」
「はい、承知しました。」
ユキと洞窟に入る。洞窟の中は、電気もないのになぜか明るいという不思議な空間で広さは、3、4メートルの幅で迷路のような空間が広がっている。
僕とユキは、攻撃の確認をしながら奥に進んでいくすると、遠くの方から青い「ぴょんぴょん」と跳ねている生物を1匹見つけた。
「…スライム!!」
初戦闘なので慎重にたたかうことを心がけた!
スライムの動きは、非常にゆっくりで、まだ距離があったのでユキに指示を出す!
「ユキ、スライムに吹雪を使ってくれ。」
「はい、ーー(吹雪!!)」
スライムは、吹雪によって地面と体が凍って動けなくなった。
「ピギィー」
スライムは、ものすごく起こっているようだ。しかし、動くことができないのでなんだか可愛らしいと思えてきた。
可哀想だが仕方がない、僕は、ユキに5メートルまでスライムに近づくように指示、ツララを落とすように指示した!
「(ツララ!!)」
スライムの頭上に鋭いつららが3本出来それらが勢いよく落ちて行った。
その後スライムは、光の粒子になり、消えて行った。
すると、
[モンスターポイント1ポイント獲得]
頭の中に機械のような声が響いた!
「クドウさま、魔石とスライムの雫です。」
ユキが嬉しそうにドロップ品を持って来てくれた!
「よくやったなぁ!ユキよしよし」
ぼくは、頭を撫でてやった。ゆきは、恥ずかしそうに顔を赤くして黙ってしまった。
「…ありがとうございます…」
凄く凄く小さな声で何か言っので聞き取ることができなかった。
初戦にしてはなかなかいい感じである。
それにしてもあの声は、なんだったんだろう?