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私は意を決して口を開く。
「あのね、ちゃんと…ひ、避妊…してくれる?」
「…は?」
まっすぐ目を見て言うことが出来なくて、私は俯いたままだ。
恥ずかしさで顔を上げることができない。
「え。そんなの当たり前じゃん。え、てか、ちょっと待って。もしかして前の人は避妊してくれなかったの?」
「そんな大きい声で言わないでよぉ。」
とたんに私は恥ずかしくなって、ジタバタしながら頬を押さえる。
少し涙目になりながら江藤くんを見ると、渋い顔をしていた。
「あいつ、ぶち殺す。」
「ちょっと、物騒なこと言わないで。違う、誤解。えっとえっと、そういうのが嫌で、あの人とはちゃんとしたことないの。」
「?」
「だから、怖くてちゃんとエッチしたことないの!」
最後は叫ぶように言った。
もう、恥ずかしいのを通り越してやけくそだ。
どんなに隠したところで、自分の不安要素は拭えないしいつかはぶち当たる壁なのだ。
それで引かれるなら、もう仕方がない。
そう思うしかないでしょ。
そのまま黙ってしまった江藤くんを見て、私は涙が滲んでしまった。
やっぱり引かれてしまったのかもしれない。




