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比べることじゃない。
だけど思い出されてしまう。
正広とラーメンを食べたときのことを。
セルフサービスの水を二人分持ってきたのは私だった。
それはまあいい。
取りに行っている間にラーメンが運ばれていて、正広は私を待つことなくラーメンを食べ始め、私が席についた頃には半分以上食べ終わっている状態だった。
そのことにも驚いたけど、その後私が食べ終わるまでの間、彼は会話することなく私の方を見るでもなく、暇そうにスマホをいじっていた。
とてもじゃないけど、楽しいと思える食事ではなかった。
でも今は楽しい。
江藤くんが隣にいて、笑いながらラーメンを食べていて、さりげなく合わせてくれて気遣ってくれて。
そんなことは普通だと思っていた。
でも違うんだ。
相手が江藤くんだからだね。
幸せで胸がぎゅーっとなってしまうよ。




