37/101
*
朝起きると目が腫れていた。
昨夜あれだけ泣いたのだ。
腫れない方がおかしい。
あまりのひどい顔に、溜め息を付きたくなるほど憂鬱になる。
いつもはコンタクトレンズをはめるところ、眼鏡でごまかすことにした。
分厚いレンズと太めのフレームが目元をカバーしてくれるでしょ。
会社に着くといきなり江藤くんに出会った。
いつも通り「おはよう」と挨拶をすると、江藤くんもいつも通り「おはようございます」と言う。
「どうした?イメチェン?」
江藤くんが私の目元を見ながら、ニヤニヤ聞いてくる。
バレてないわけがないのに冗談めかして言う江藤くんの気遣いが、私をほんのり癒す。
「似合う?」
そう聞いてみると、
「あー似合う似合う。」
すかさず棒読みで返してくる。
そんなやり取りが可笑しくて嬉しくて、そして優しくて。
私は胸がぎゅっとなった。




