27/101
*
江藤くんの突拍子もない発言に、私は顔を上げる。
「え、何それ?」
「だから、ドラマみたいに結婚式場の扉をバーンと開けて、花嫁を拐うっていう演出。俺が辻野さんを奪いに行く。」
「あはは!それいいね!でも江藤くんドラマの見すぎだよー。」
そう言って二人で笑い合う。
こういう冗談で笑わせて、嫌な気持ちを吹き飛ばしてくれる。
江藤くんのそんな優しさが嬉しくて、私は笑いながらも少し涙ぐんでしまった。
俯いた私の背中を、江藤くんはポンポンと控え目に撫でてくれる。
江藤くん、優しすぎて胸がぎゅとなるよ。




