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どうにかこうにか準備の整った正広を乗せて、実家へ急ぐ。
ちゃんとスーツにネクタイをして、ビシッと決めてきた。
やればできるじゃないか。
正広を実家へ呼ぶのは初めてだ。
私の両親に会わせるのも初めて。
といっても郵便局員なので、書留とかの配達の時に何度か母と顔を合わせたことがあるらしい。
ハンコをもらわなくちゃいけないからね。
いざ、私の両親と対面した正広は、なぜかフリーズした。
えーっと、正広さん?
ここは男らしく決めてほしいというか、ドラマとかでありがちな「結婚させてください」ってやつ、やればいいんじゃないかな?
え、もしかして私が言う、とか?
いやいや、ないでしょ。
だけど沈黙に耐えきれず、私から切り出した。
「えっと、斉藤正広さんです。」
ほら、突破口開いてやったんだから、あとはビシッと決めてよね!




