第0話 ここから
どうも!プラチナ05です!
普段はハーメルンで書いているんですが、ちょっとチャレンジしてみようと思い、出して見た次第です。
よろしくお願いします。
背景、行く年を惜しみながら新しい年に希望を馳せるこの頃。
神様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。
さて、日頃は何かといたらぬ僕に、お心遣いをいただき、言葉では言い表せないほど感謝しております。
ですが何故僕はこんな目に遭っているのでしょうか。こんな心遣いはいらないのですが
ねぇ神様、ここ、どこ?
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「あー疲れた。眠い。腹減った。眠い。もうやだ仕事したくない。眠い」
「仕方ないだろ?仕事なんだから」
「眠い!ねむぃぃ!」
「うるさいなぁ!俺だって同じ気持ちなんだから文句言うな」
「ブー」
こいつは俺が務めている会社の後輩こと"木下 千春"である。結構顔が好みだからと最初はそれが目的で近づいたが話していくうちに話があって仲良くなった。自分で言うのもなんだが。
「そー言えば先輩」
「ん?なんだー木下」
「先輩って彼女いるんですか?」
「彼女かー。結構前に別れたなー。」
「なんで別れたんですか?」
「彼女が浮気してた。笑っちゃうだろ?」
「わーおそれはビックリ」
「面白い反応をどーも」
「喜んでいただき光栄です」
「けっ、生意気な後輩だよ」
「ははっ、それは何より」
まぁこういう感じで楽しく喋っていられるような後輩だ。いつか告白しようかなー等と思いつつ接していた。
「ねぇ先輩。私が先輩の事好きって言ったらどうします?」
そう思った矢先、まさかまさかの後輩が告白をして来たのだった。まさか告白されるとは思ってなかったのだ。
「え?好き?あ、いや...えーと」
「先輩、どうなんですか?」
「俺は...」
思っていなかったから俺は硬直状態。
頭じゃ早く答えろと思っていても口がうまく動かない。そんな状態だったのである。仕方ない。
俺が固まっていると突然、俺のデスクにあるパソコンのモニターが光り出した。
「な!うわっ」
「きゃ、先輩!」
そして俺たちは光に飲み込まれてしまった。
光が収まるとそこには草原が広がっていた。
そしてイマココ。どうしましょう。ここどこ?
「どこだよ、ここ」
ポツリと声が零れた。いや、零れてしまった、と言うべきか。
どこからかドスン、ドスンとなにかの足音が後ろから聞こえてきた。だんだん音が大きくなっていく。そして音が止まる。それと同時に後に圧倒的な存在感を感じた。
なにかの鼻息がする。なにかのヨダレの垂れる音がする。
ギギギと擬音のなりそうなくらいにぎこちなく俺の首が後に振り向くように動く。
そこには"化け物"がいた。体の大きさは俺の三、四倍と言ったところ、顔は1つ目で、まさにサイクロプスと言った名前をしていそうな顔をしている。
本能が逃げろと警戒音を限界まで高めて鳴り響く。
理性は死んだと理解している。
俺は終わった、と諦め目を閉じた、その時だった。
「はぁっ!」
目を閉じ真っ暗な状態でいると、前から可愛らしく聞き覚えのある声の掛け声と共に斬撃音が聞こえてきた。
「へ?」
思わず声が出た。まさか助かったのか!やった!助かったんだ!と。
助けてくれた方にお礼をしなくては、と思って、目を開けるとちょうどその時にその人はこちらを振り返ってくれた。
「大丈夫で────え?」
「ありがとうござ───え?」
感謝を伝えようとしたが、途中で止まってしまった。見覚えのある顔だったから思わず止めてしまった。見覚えどころか数分前では話している最中だった人物だ。
まさかまさかの後輩だった。
「何してんの?お前....」
「せ、先輩?」
「いや、え?何その格好。てかお前なんか歳食ってね?」
「えーと失礼すぎませんか?」
「いや、すまん」
「まぁいいですけど」
何が起きてるのか全然分からない。頭が混乱してまともな思考が働かない。ほんとにどこなんだよ。
そう思っていると後輩の口からまたもや意味のわからない言葉が出てきた。
「あ、そう言えば、今までどこにいたんですか?」
「は?今までって何が?」
「いや、え?今来たんですか?」
さっきから訳が分からない。今までってなんだよ。俺たちさっきまで話してただろ?なぁ。
「今来た、ってなんだよ」
「今さっきまで向こうの"世界"にいたんですか?」
「はぁ?意味わかんねぇよ、ほんとに...」
「先輩...」
...いや、実はわかってる。分かってたけど現実逃避したくなっちゃったんだよ。明らか後輩は少し歳を取っている。それに服装もおかしい。はぁ、認めるよ。
異世界なんだな。ここ。
「....なぁ、木下」
「はい?」
なら、
「1つ頼み事がある」
「何でしょうか」
「俺にここでの生き方を教えてくれ、いや教えてください」
恥を忍んででも生存率を少しでも上げる。その為には後輩にだって頭を下げる。
「ぷっ、あっははは!やっぱ、先輩は先輩でしたね!」
「む、んだよ。うるさいなぁ、俺は俺らしく生きる。なんか文句あるか?」
「いえ、ないです。そう、ですよね」
そう言って後輩、木下は何故か緊張の糸が解けたかのような顔をした。
「で?どうなんだよ」
少し気恥しくなってきた俺は後輩を急かすような言葉を吐いた。すると後輩はそれに答えてくれた。
「いいですよ、私と一緒に頑張りましょう!!」
よし、取り敢えずこっちの世界での道筋を作れた。さぁここからだ。
ここから、始めるぞ。
「その、ありがとな」
「!...こちらこそありがとうございました」
これからだ。
次は来週には出せたら嬉しいです。