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「また明日」はもうない

作者: 大川弘

「今日はここまでな、暗いから帰りは気をつけろよ」

補習が終わりみんな教室を出て行く

「俺たちもさっさと帰ろうぜ」前の席にいた友達に声をかける

「うん、帰るか」そう言い友達は席を立つ

昇降口から出た時一気に寒さが増した

冬も本番あとどれくらいこの寒さが続くのだろうと空を見上げながら息を吐く

寒さで冷え切った空気は吐いた息を白く変えた

正門に着くと友達と別れる、俺は歩きで友達はバスだからだ

補習で遅くなった事もあり生徒はほとんどおらず昼間の騒がしさが嘘のようだった

「じゃぁ、また明日」俺は友達に言った

「じゃぁな」友達はそう言いバス停に向かって行った

俺は誰もいない帰り道を歩いて行く

いつもと何の変わりもない帰り道だ

信号待ちをしていると隣にバスが止まった

多分友達が乗っていると思い何気なく探して見ると1番後ろの席で俯いていた

気になりはしたが明日聞けばいいかと思い何も聞かなかった

ちょっとした坂道を登って行く

帰りが遅いので辺りは暗く街灯が付いている

少し上の街灯の下に誰かが居ることに気づいた

だが特に気にすることなく歩いて行く

その人のところまであと10メートルくらいのところで何か持っていることに気づいた

刃物だった

俺は混乱し硬直した

俺が止まったらその人はこっちに近づいてきた

何も発しずただ無言で近づいてくる

(殺される)俺はそう思った瞬間後ろに振り返り走ろうとした、その時

「まって」

後ろから発せられたのは友達の声だった

(え?)

訳がわからず後ろに振り返った

その瞬間腹に激痛が走った

刺されたのだ

俺は地面に倒れた

俺を刺した人はマスク取り深く被っていたフードを脱いだ

友達だった

「なんで、どうして」俺は問いかけた

友達は

「じゃぁな」

その一言それだけだった



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