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弁京コテン  作者: るんペン国王
3/4

旅立ち

ここは、真那備王国ブンケイ領のコクゴ国の辺境の村であるコブン村。


ピンクの衣装をまとい、頭に二つ髪をお団子にまとめた明朗快活な思春期少女が大きな声で人を探す。

「コテーン、どこにいるのー」

大きな声に反応もせず、ひたすら畑仕事に精を出している青少年がいた。

「うんとこしょ、どっこいしょこのカブも、だいぶ大きくなったな。」

少年は満足な表情を浮かべる。

「おっ、このカブもいいぞ。」

畑にいることに気付いた少女は、少年に声をかける。

「あっ、こんなとこにいたのね。国王様がなくなったというのに、のんきに畑仕事なんかしてる場合じゃないでしょ!」

声をかけられた少年ことコテンは、ようやく気付いたかのように答えた。

「ジテンか・・・どうだこのカブすごいだろ。」

ジテンと言われた少女はため息をつきながら、

「あいかわらずなんだから、この国がどうなるのか心配じゃないの。」

「ガクモン王がなくなられたのは悲しいさ。だからといって仕事を休むわけにはいかな

いだろ。俺たちにとっては仕事は生きがいだからな。」

なかなか真の持った少年である。

「それはそうだけど、もしかしたら国が二つに割れてしまうかもしれないのよ。」


後継者争いの様相を呈しているのは、国中どこの国民も噂はひろがっており知らないものはほぼいない状況であった。その噂は現実のものとして、コテン達に突然襲い掛かる。


生意気な表情で金色の兜と白い甲冑で現れた男が現れる。

「敵情視察に来てみたらこんなへんぴな村だとわな。」


怪訝な表情でジテンが、「あなたは誰?」と聞くと


「これはごあいさつだな。天下の将軍様をしらねえとはおどろきだ。」


「まさか!?」リカイ軍が攻めてきたと悟ったジテンが驚きの声をあげる。


「おい、おまえここの村長はどこにいる。」と甲冑男はコテンに近づく


反応したのは、ジテンの方だった。

「あなたに、教えるわけにはいかないわ。あなた、リケイ将軍の手のものね。」


「てめえは黙っていろ!」刹那、甲冑男の攻撃があたりジテンがふっとんだ。


コテンが怒りに吼える。「くっ!畑をあらすな!」


「ほう、俺様に立てつく気か、ならば、この問題が解けるなら相手をしてやろう。では」


それは、儀式とでもいうのだろう。この世界では、決闘モードに入る時、古から伝わる問題というものを

出すことになっている。これは、戦闘中にもところどころ表す。


「問題1+1=?」さらに、選択しも与える。「2/4/1/田」

さて、コテンの答えは、「2」


ちなみに、他の答えを答えた場合、正解にたどりつくまでダメージをくらいながらも答えることができた。

もし、「田」と答えたなら、男から「なぞなぞではないわ!」とつっこまれていたであろう。


「ほう、少しはやるな。では相手をしてやろう。」


戦闘開始。相手は様子を見ている。コテンは先制攻撃をする。しかし、実力差は歴然であった。ほとんどダメージを与えることができない。


余裕のある甲冑男は、次なる問題を繰り出す。それに、答えるコテン。


そして、甲冑男はついに、一撃を加えた。あっさりコテンは倒れた。


「この俺様に挑戦してくるとはな。」当然と勝ち誇る。


「もうやめて!村長はあそこの家よ。」思わず、ジテンは情報を与えた。


「この俺に泥をぬりやがったからな、生かしちゃおかねえな。」にやっと笑う男


そこに、さらに大男の甲冑男が現れた。知る人ぞ知るスウガク将軍である。

「サンスウそのへんにしておけ」


サンスウと言われた甲冑男は、泣きそうな表情となる。「アニキ!でもアニキよ」


強烈なオーラを放つスウガク将軍は、コテンの意気込みを買ったようだ。

「コテンとやら気に入ったぞ。もっと強くなれば部下にしてやろう。努力することだ

な。行くぞサンスウ!」


「ちっ、運がよかったな。」残念そうなサンスウ


甲冑男二人は、コブン村村長の所へ向かった。


倒れたコテンに寄り添うジテン「コテン大丈夫?コテン」


負けず嫌いのコテンは苦しそうだが運よく生き延びた。

「くっ、くそう・・」


コテン達は、コブン村長のコテージに閉じ込められている。

コテージには、コテン、ジテン、二人の育ての親コブンがいた。コブンはまさに、長老にふさわしいおじいさんである。


「おじいちゃん、この村は一体どうなっちゃうの?」怪訝な表情で尋ねるジテン。


「うむ・・・、この村はリケイ軍の軍門に下る事になった。」遠い目をするコブン爺さん。


「そ・そんな・・そうよ、ブンケイ軍はどうしたのよ。ブンケイ軍さえ来ればこの村は救われるわ!」

期待はすぐにかき消される。


「残念じゃがもう遅い、リケイ殿は後継者争いで話し合いでは不利と見るや得意の武勇でこの国を支配する決断をなされた。この勝負、今はリケイ殿の優勢じゃ。」

どうやら、ブンケイ側の不手際が露呈してしまったようである。


「そんな、でもブンケイ様に今までお世話になってきたのに見限るきなの?」

ジテンはあきらめたくない表情でいっぱいである。


「いや、わしもこの国を治めるのにふさわしいのは、ブンケイ殿をおいて他にはおらん!」


「じゃあ」


「いや、まだ時期がわるい。そこででじゃコテン。」まだ、コブンは起死回生を図っていた。


「!」コテンがふりむく


コブンは真剣な眼差しで「おぬしに頼みがある。この国をブンケイ殿を助けるために戦ってくれ。」


ジテンが割って入る。「そんな、無理よ勝てるわけがないじゃない。」


「確かに今はな、じゃがおぬしには少し早いかもしれぬがある奥義を身に付ければ話が違う。」


「奥義!?」ジテンが驚く。


「そうじゃ、その奥義をマスターしレベルをあげれば必然と将軍クラスにも勝てるはずじゃ、その奥義を会得できるのは、代々学問の字を持つもののみ。」コブンの瞳がキラリと光る。


「つまり、コテンにはその資格があるわけね。」


「うむ、この世に奥義を会得しているのは、コテンの叔父であるコクゴ将軍、この村に来たスウガク将軍とその弟サンスウ将軍、リケイ軍の智将リカ将軍、わがブンケイ軍勇将シャカイ将軍、中立国のガイゴ国のエイゴ姫そしてコテンの兄のカンブンじゃ。他にもいるらしいが、わしの知る限りではこのへんぐらいじゃな。」


「あの男達がスウガク・サンスウ兄弟だったのね。」納得したように頷くジテン


「コテンよやってくれるか?」


コテンは、覚悟をもってうなづく。


「おお、さすがコクゴ将軍の甥であることはある。ではまず、ジテンと二人でカンブンの元にいけ。カンブンを師と仰ぎ奥義をマスターするのじゃ。」


「おじいちゃんはどうするの?」心配するジテン


コブンはとっておきの脱出ルートを知っていた。

「わしはこの村に残る、住民を守るのはわしの仕事じゃからな。さあ、奴らが来る前にそこの瞬間移動絨毯で脱出しなさい。」絨毯とはあまりおもえない、わかりにくい場所を示す。


「わかったわ、無理はしないでね。かならず・・・必ず助けにくるからね。」


コテンとジテンは、ツボなどに埋もれた、絨毯の上にたつ。

「よし、いくぞ」刹那、瞬間移動装置が起動し、コテン達を半透明な紫色のオーラーが包み込む。

そして、ボワーンと音がなるとコテン達は消えて行った。





















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