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異世界の人々(仮)  作者: 溶ける男
第1章マークの場合

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第5話

「おはよう」

今日は、ノックの前に目を覚ましてドアを開けて食卓へ向かう。

「あれ、今日は早いんですね。」

「ああ、なんか目が覚めてな」

席へ着くと料理を並べて行くケンタに礼を言って食べる。

今日の料理はアシュナーの胸肉を使った野菜炒めをパンに挟んだものだ、相変わらずのウマさだ。

食事を済ませて図書館のことについて話す。

俺もあることは知っているが、言ったことは無い。

以前、スキルの成長には経験も大事だが知識も重要だと教えてもらったのだが、どうも本を読むと眠くなってしまう体質なのだ。

まだ、開く時間までは時間があるので昨日と同じく広場で剣術の稽古だ。

みるみる上達していくケンタにそれでも何とか勝ち越して入るがこのままいくと数日のうちに、抜かれてしまう事だろう。

今日からは、寝る前に鍛錬の時間を設けるとしよう、流石に俺の8年を10日で抜かれるわけにはいかないのだ。

ソロソロいい時間なので稽古を切り上げて図書館へ向かうことにした。

「マークさんは剣術をどこで習ったんですか?」

「ん?まだ駆け出しだったころにな冒険者の先輩に教えてもらったんだ」

「先輩ですか、そう言えば昨日のことも含めてどんな人だったか教えてもらえますか?」

「そんなんに知りたいか?じゃぁ図書館に着くまでならでよかったら」

「ぜひお願いします」

先輩の名前は、アーハルト・ビトワイア。Bランクで知り合った時は今の俺と同じ25歳だった。

ランクを無視して町から少し遠出してアシュナーを狩ってお金を手に入れてさっさと次のランクになるんだなんて甘いことを考えていた俺は、深追いした結果アシュナーの群れに囲まれて死を覚悟した。

そこへ駆けつけた先輩が、瞬く間に群れのリーダーと数匹を蹴散らすと群れは一目散に逃げて行った。

助かったと安堵から足の力が抜けて尻餅をついた俺に思いっきり拳骨を落として叱ってくれ、それから出世欲だけ強かったまだまだ駆け出しの18歳の俺の世話をなんでか親身になって焼いてくれた。

冒険者になるまでは、子供のころにやったチャンバラ遊びくらいしかやってこなかった俺に剣の握り方や振り方、足さばきなど今自分が使う剣術の基礎を作ってくれた。

冒険者としての力を手に入れても決して威張らず驕らず、優しい物腰だが伝えるべきことは伝えて行動で示す先輩を俺は尊敬しいつか自分もと憧れていた。

そんな生活が1年ほど続いて…

「っともう着いたか、あそこが図書館だ」

「それでどうなったんですか?」

「まぁ、またいつかな」

話を切り上げて扉を開けて受付へ行く。

「ご利用ですか?」

「はい、2名です」

「あれ、マークさんも入るんですか?」

「ああ、折角来たし剣術の本でも読んでみるわ。まだお前に負けるわけにはいかないんでな」

「そうきますか、僕も頑張ります」

「えーっと、受付に来て私を無視して話を広げないでください」

「「すいません」」

「それでは、ステータスプレートをいいですか?」

プレートを出す俺たち

「マークさんにケンタさんですね、それでは入館料銅貨50枚になります」

入館料を支払い案内図を前に目的の場所を確認する。

「そういえば、ケンタは何を見るんだ?」

「えーっとですね、まずは世界地図なんかを見たいと思います。

 後は、魔法の入門書なんかが遭ったら読んでみたいですね。」

「なら1階のこの辺りか、俺は2階のようだから後で合流するか」

「そうですね、それではまた後で」

俺は、2階への階段を上り剣術の指南書が置いていある場所に行く。

ダグラス領は辺境ではあるが領主が学問への関心が異常に高く領民にも門戸を開く為にある程度の発展した町にはわざわざ図書館を作るという力の入れ具合だ。

本と言うものは、以前は全てが手書きと言うこともありかなり高額だったが数年前のにコピーと言う

技術が出来たことで安く手に入れることが出来るようになったらしい、と言っても一般人にはまだまだ手の出ないものではあるが。

剣術の本を手に取る、この大陸に広まっている剣術は大きく分けて3つ、傭兵国家グリアスという国が発祥のグリアス剣術と多くの国で採用されている騎士剣術、SSランク冒険者アークライトが自身の技術を失わせない為に作り上げ広めたアークライト剣術だ。

先輩に教えてもらったのは、如何やらアークライト剣術に属するものだったようだ。

アークライト剣術は、冒険者が作ったということもあり対魔物を想定した動きが多く今まで自分がなんとなく教えられたままにこなしていた技術を知識としても理解することが出来た。

今までは、本を読んでいるとすぐに眠たくなってしまっていたが、目的があるとこうも違うものかと自分の新しい一面を見た。

グリアス剣術と騎士剣術に関する本も読んでみたが、両方とも対人を主にし、グリアス剣術は少数で多数を相手に対する場面ことが多く、騎士剣術は多数で少数を相手取る戦術やチームでの動きなどがメインで書いてあった。

今まで、先輩以外の冒険者と長くチームで動いたことが無いので、多分俺の連携はヒドイものだろうが、騎士剣術における戦術などは役に立てていかなければ今後の生活に支障が出てくるかもしれない。

気が付くとケンタが来ておりアークライト剣術を読んでいた。

「お、すまんすまん。時間を忘れて読んでしまった」

「いえいえ、僕も先ほど読み終わったところですし、剣術にも興味がありましたから。」

「そうか?ならいいが」

「そうそう、魔法についても多少調べたのでこの後、町の外で実験したいのですが?」

「そういえば、魔法の才能もあったんだったな。本当に多彩な奴だ」

「そういえば、マークさんは魔法使えないんですか?

本を読んだ限りでは、魔法適正が1つも無い人間は居ないって書いてありましたが」

「俺か?そういえば非表示にしてたな、一応風なんだけどな。

 体内の魔力量が生まれつき少ないみたいで大したものは使えないんだ。」

「なるほど、確かにそんなことが書いてありましたね。」

そう、この世界では魔力量によって人生が決まる。

高い魔力量を持つ者には、生まれにかかわらず士官する可能性が出てくる。

貴族たちも、魔力の高い者同士で結婚しより魔力量の高い子孫を残すことで繁栄している。

俺のように魔力量の低いものは、それ以外で身を立てるしかない。

「それで、魔法の実験に付き添ってもらってもいいですか?

 何分初めて使うものですから分からないこともあるので」

「いいだろう、この後とくに用事もないしな」

そういって本をしまい図書館を出た。

ギルドには寄らず町を出る。

町から少し離れた草原で周りに何もいないことを確認する。

「マークさん、よければ一度魔法を見せてもらってもいいですか?」

「ん?いいが、大したものは出来ないぞ」

そう言って体内の魔力を周囲の魔力に反応させて風を起こす。

風と言ってもそよ風程度だ、風に触れた対照が傷つくわけではなが洞窟などの空気がとどまった場所の探索には使えたりする。

「おぉ!風がここだけ吹いてる。

 マホースゲーー!!あれ、詠唱とかは無いんですか?」

ここで少し、俺の知っている魔法に関する知識を話そう。

先ず魔法は、体内にある魔力≪マギ≫を自然界に存在する魔力≪マナ≫に対して働きかけることで発生させることが出来る。

この際に、詠唱により魔法のイメージを言葉にすることでより明確にマギのマナへ対する効果を高めることが出来るのだが、訓練することで無詠唱で発現することが出来るようになる。

俺の場合は、この魔法しか使えないので無詠唱で使えるように訓練した、因みに5年掛かった。

そんな説明をすると「無詠唱ですか、ロマンですね」とか言っていた。

「まぁ、初めての魔法は詠唱した方がいいぞ。

 不発だったり、加減が出来なかったりするからな。」

「わかりました。取りあえず被害の出ない魔法を使ってみますね。

 えーっと、光よ集まり暗闇を照らせ、【ライト】」

ケンタは初級の光属性魔法を唱えた、効果は球体の光球を出現させて明かりを照らすというものだ。

魔法は、発動しなかった。

「あれ?なんでだろ」

「ケンタ、マギは感じられているのか?」

「マギですか?そういえば、いまいちそのマギってのが分からなかったんですよ。

 僕の住んでいたところには、魔力と言う概念がゲームや本などの中にしか無かったもので」

「魔力のない世界か、想像も出来んな。

 だが、スキルに魔術の才能があったことからもお前が魔力を扱うことは出来るはずだ。

 まずは、両手を前に出して手のひらを10cmくらい離して構えてみろ。」

「こうですか」

「そうだ、そうしたら全身から力を集めるイメージをしながらもう一度詠唱をしてみろ」

これが、先輩から教えてもらった魔力を扱う基本だ。

魔力の流れには個人差が有り、俺の場合は周囲の空気も一緒に手に集めるようにしている、総じて自身の属性に対応したイメージが多いような傾向があるが、これが複属性になると違ってくると言われているましてケンタは全属性と言うある意味あり得ない存在だ。

それから、少しの間手を見つめながら唸っているケンタだったが10度目の詠唱と共に直径5cmほどの光の球体が現れた。

「やったー!出来ました」

「おめでとう

 そうだ、ステータスプレート確認してみろ」

懐からプレートを取り出し確認して、満面の笑みで見せてくる。

そこには、光魔法が表示されて相変わらずの★10個だ。

魔術の才能も1つ☆になったそうだ。

そこからは、各属性の初級魔法を唱えてスキルを取得していくケンタ。

「マークさん、無属性ってどうやったら覚えられるんですかね?

 本にもそこだけはあいまいだったので」

「無属性はいまいち分かっていないものが多くてな、一部では個人魔法とか言って個人の特性なんかが色濃く出るとか言われてるぞ」

「どんな魔法があったか知ってますか?」

「有名なのでは、ゲートっていう距離を無視して移動なんてのがあったとか言われてるが、詳しくは知らんな」

「ゲートですか、便利ですね」

そう言って【ゲート】と唱えるケンタ。





「やっぱり出来ないですね。ラノベなんかだと出来るんですけどね」

「ラノベ?なんだそれは?」

「んーん、まぁ物語が書いてある本の一種ですかね」

「お前の場合は、そのラノベとやらの主役並に色々出来る状況じゃないのか?」

「そう言われると反論は出来ないんですけど」

魔法の習得も済ませたので町へ帰るかと話しているとと森から一際大きな咆哮が聞こえ、木々から鳥が一斉に飛び立った。

「何ですか、あれは?」

「いやな予感がするな、早く町へ戻るぞ。」

急ぎ走って町へと戻り、門のところでニコルに森の一件を話してギルドへ向かう。

「マリアさん、さっき森で何かあったみたいなんですが」

「マークさんもですか、他にも何件か同じ報告が上がっているので今、偵察に行ってもらってます。」

「そういえば、この間森に採取に行った時も少しおかしかったような。」


そんな話をしていたところへ突然開かれる扉と駆け込んでくる二人の冒険者。

「エラゴルンが出た!!!」


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