序章(プロローグ) 闇のなかで
残酷というほどではないですが、ちょっとグロイことがたまにあるかも知れません(ーー;
そういうの絶対無理!!という方は注意してください。
どろりとした闇に飲み込まれて呼吸が出来なくなった。
意識が感情の渦に巻き込まれて悲鳴をあげた。身体を蝕む、恐怖。
怖い怖い怖い・・・
私はどこに堕とされる?もう戻れない?もう、会えない?
―――あいつには、会えない?
哀しくて、嫌で、寂しくて、怖かった。
会いたくて、会いたくて。
いつかこうなることなんて分かっていた筈なのに。何もしていなかった。
あいつが居れば、それだけで良かったのに。そんなささやかな望みさえ叶わない。
これは―――生まれてきてはいけなかった、存在しない筈の私という存在が、自分勝手な望みを持ったことへの罰?
落下する。下から光が射してくる。
もうすぐ、着くのだろう。見知らぬセカイに。
ついさっきまで居たセカイにあったのは、憎悪と怒りと、見下したような哀れみ。母を殺したセカイ。
それでも、戻りたかった。
例え今から辿り着くセカイが、喜びとか希望とか、そういった美しいものに満ち溢れたセカイだったとしても。戻りたかった。
あいつが居るセカイに。
どうか、私のこの願いだけは奪わないで。
―――むかし、きみといたセカイ。