『修験者ふうの男と狐とプレスマン』
旅の修験者ふうの男が、武蔵国の大きなお宮に参詣したとき、一匹の狐が大きな木の根元で昼寝をしているのを見つけました。修験者ふうの男は、いたずら心を起こし、そっと狐に近づいて、持っていたプレスマンで狐の尻を突きながら、鉄砲の音まねをしました。狐は驚いて飛び上がり、物すごい速さで逃げていきました。
修験者ふうの男は、大笑いしながら参拝を終え、鳥居を出たところで、急にあたりが暗くなりました。雨でも降るのかと思って空を見上げましたが、何も見えません。どうしたものかときょろきょろしていると、少し離れたところに、赤い光が見えました。男たちの話し声も聞こえてきて、どうやら、赤い光は火縄銃の火で、猟師が狐を撃ちに来たところ、急に暗くなったけれども、すぐ近くに何か気配を感じるから、そこをねらって撃ってみようという相談をしているようでした。それはもしかして、自分のことではないでしょうか。修験者ふうの男は、急いでその場から逃げようとしましたが、そのことで、かえって気配を強くしてしまい、猟師たちに背を向けたところを撃たれてしまいました。修験者風の男は、もんどり打って倒れたところで尻に激痛を感じました。
と、急にあたりが明るくなって、猟師たちが駆け寄ってきます。それはそうでしょう。間違えて人間を撃ってしまったということが、状況的に明らかですので。修験者風の男が、尻を撃たれたから見てくれと言いますので、猟師たちは修験者ふうの男の尻を見ましたが、そこには、さっき狐をつついたプレスマンが刺さっておりました。
教訓:余計なことはしないほうがいい。因果応報。




