表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜の帰り道  作者: 灰野ラスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/16

いつもの朝の何気ない会話

彼が食卓につくと、真名が眠たげにリビングにやってきた。今年、高校二年生になる真名は、賢い聞き分けの良い子だった。


「おはよう、お父さん。今日は少し早いのね」


「年を取ると段々早起きになるってのは嘘じゃないかもな」


彼の自嘲気味な物言いに、真名は少しだけ顔をひきつらせて笑った。コーヒーが食卓に置かれた。清子が毎朝淹れてくれるコーヒーは、彼の分はアイスコーヒー、真名はホットコーヒーと決まっていた。二人は黙ってコーヒーを飲んだ。彼の頭が一気に冴える。真名も息を少し吐いて、リラックスした様子だ。


10分ほど経つと、食卓にハムエッグとパン、コンソメスープが運ばれてきた。清子もテーブルに落ち着いて腰を降ろした。三人で「いただきます」と合唱したあと、朝の食事が始まった。


「友達とは上手くいってるのか?」


「うん、上手くっていうか、そんな意識的なことはしてないけど、自然と仲良くなってる感じね」


「なるほど。お父さんは会社でそんなにうまく人間関係を築けてないかもな。どうしても社交的というか、大人の関係になるからな」


「そんなもんなの?」


「そんなもんさ」


「お父さんは汚れちゃってるのよ。真名みたいに、もう純粋じゃないってことかしらね」


「おいおい、人を怪物みたいに言うんじゃないよ」


三人の会話は何気ない雰囲気のなかで交わされた。いつもと変わらない、気取らない親子・夫婦同士の会話だ。彼は幸せに不安がよぎることがあっても、決してそれを実現させはしまいと心に誓った。愛すべき家族は、日常を彩り彼の疲れを癒やしてくれる場所だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ