幽霊を信じるって素敵じゃないですか?8
あ、眠い
「素敵って?」
もう一度、次は咄嗟的に呟く。
なんだか今日は一人で呟いてしまうことが多いように思える。いや、そんなことよりも。
僕はまた思考を巡らせた。
君の思ってる「幽霊を信じるな信じない」なんて人それぞれではあるけど、でも「素敵」と思う人なんているのだろうか。もしかすると、他人とは違う特別な君の答えはそう言うところにあるんじゃないのか?
他人とは違う君の答えを知りたい。
本心の見えない特別な君の理由が知りたい。
そう思えた直後のこと。薄いピンク色の壁をぼーっと見つめながら考えていた僕。
君が出て行ったドア。態とらしく開いているドアへ自然と目がそれた。いや、気づいていたけど無視していたんだ。
「あのー、先程は失礼したでござるー」
僕は、君が苦手かもしれない。
「そのノリやめてもらえないかな?本気なのかわからないから」
「あ、さっきはごめん」
本当に改まっているのだろうか。それすらも定かではない。
「こっちこそごめん、何も知らなくて」
「ううん、全然」
僕の考えは当たっている、やっぱり君は本気なんだ。
「君の答えを教えてくれないかな?」
気恥ずかしさを誤魔化すと共に、君に抱いていた気持ちを素直に質問する。その答えが出れば良いんだけど、たぶんそれは無理だ。
そうは理解していたけれど言いたかった。決してふざけてではなく、ただ真面目に。
「ワタシノ?答え?」
頭の上にハテナマークを浮かべて首を傾げた君。これが当たり前の反応。僕の質問なんて、誰にも理解出来ないと思うし、他の人に対して同じように質問をしただけで距離を取られる。だけど君だからこそ聞きたい。ここで食い下がるわけにはいかない、君に引かれてもいい。今だから聞けると思う。まだ君と仲がいい訳じゃないから。
だから、君との間に偽りが作られてしまう前に。
よろしくお願いします