表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
“僕は君を夢見てる”  作者: 秋乃 しん
3/130

幽霊を信じるって素敵じゃないですか?2

月乃光 君 存在


  

 僕のいるクラス。

同性からも、異性からも人気な『月乃 光 』という存在。そんな君は、いつ何処から見ても笑っている。そんな風に僕が感じているだけ。

その君の顔つきは、両側から等しくなぞる輪郭に、顔のパーツがその輪郭に合わせるようにそれぞれが整ってる。そんな中で、目だけは少し見開くよう大きくて、またそれに合わせて瞳も大きくて可愛らしい。髪型は女子高生らしいロングヘアー。「可愛らしい」と言うのは、あくまでも個人的な意見だ。

身長は、クラス内の中でも中位に位置する僕に対して、頭半個分くらい小さく、女子ぽっい。そんな存在が人に好かれる理由は色々ある。

それは前に見た。君と仲の良さそうなクラスメイトと話している光景。


ーーーーーー

 

 クラスメイトA

「ねぇー、光ちゃんの目はぱっちりしてて綺麗だよねー」


よくある女子トーク。この時Aの本心は確か。


”見返り、褒めて、嫉妬”


見返りを求める偽りの言動だろう。そんな質問に対して、月乃光はこう返した。


「ありがと!Aちゃんの髪って凄いサラサラで気持ちいいから羨ましいなぁ!」


クラスメイトA

「本当?ありがと!」


“当たり前、面倒、嫉妬”


ーーーーーー


普段なら見たくもない人と人の偽る関係。でも君は、話の聞き上手な人で、他の女子達の偽りであり見返りを求める質問に対して、本心を当てては答えて喜ばせているように感じる。そんな君を見ていると、もしかしたら君も人の本心が読み取れているんじゃないのかと、そう思ってしまうほど。


「そんなことはないだろ」 呟く。


次は異性である男子達から人気な理由。

まあ、君の顔が可愛い。

大半はそんな馬鹿みたいな理由だ。


「問題ない」


そうニヤつきながら呟く。

今日も歩いていた通学路も終えて、昇降口から教室までの廊下を静かに歩いていく。朝からニヤつきが留まらない気持ち悪い僕は、今も君のことが気になっていて仕方がない。と言っても、これは僕にしか抱けない気持ちであって、決して恋愛などと言う浅はかな問題なんかじゃない。もっと深い問題みたいなものだと、そう思ってる。そしてまた君のことを考え始めると、溜息が出る。


「見えない」呟く。


 他人の本心は顔を目視するだけで読み取れてしまうのに、月乃 光という本心だけが読み取れない。一度も君の本心を読み取れたことがなくて、他の人の様にはならない。


「わかんない」


教室に入る前まで、ぐるぐると回っていた僕の頭の中。

クラスのドアに手を掛けたと同時に切り替わる。そして今日も始まる偽りの空間にはいると思うと気が重くなった。そんな僕とは正反対に、僕の目に入る君は今日も、クラスの中心でニコニコしていた。


よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ