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立ち直りの早さもウリ

少し遅めの投稿すみません。


 クティの事は自分ではどうする事も出来ないと理解したジェイクはクティにと持ってきていたコーヒーをその場に残して去っていった。

 そしえそれからしばらく後ようやくクティはコーヒーへと手を伸ばした。


 「ミルクと砂糖がないじゃないの…にがっ」


 一晩中何も飲まずにずっと起きていた為喉の渇きを感じていたクティは苦いのを我慢しながらちびちびとせっかく入れてくれたんだしと飲む。


 苦味を口の中で転がしながらこれもコーヒーの美味しさなのかと味わってみるクティ。

 しかしすぐに苦味に負けて飲み込んだクティは子供舌だった、甘いものしか受け付けないのである。

 いそいそとクッキーを取り出し噛み締め甘さを味わい顔を上げると眩しい朝日が視界に入ってきて目を細めた。


 「ねぇエーティ私急ぎすぎてたのかも…ジェイクに酷い態度とっちゃったかもだから謝らないと…」


 コーヒーの香りは人を落ち着かせる効果もあると言う。

 狙ってかは知らないがジェイクへと感謝を浮かべながらも先程強く言いすぎてしまったとクティは少し申し訳なさから項垂れた。


 『そうですね、何も目の前にあるからと言って今すぐ行かなければいけない事でもありませんから、全てクティのやりやすいペースで問題はありませんよ?』


 落ち込んでも悲しんでも、すぐに回復出来るのがクティという存在だとAT05G3は接しているうちに学んだ。

 だから頼りになって美しくて可愛らしくて一緒にいて楽しいと思え惹かれるのだ。

 だからAT05G3はそんな強さを持つクティへと長い付き合いからくる信頼を胸に手を差し出すのだ。


 じっとコーヒーに映る自身のやつれた顔を見ていたクティは一気にコーヒーを飲み干し両頬を両手で挟むように2度叩いて自分へと注意する。

 もうへこたれるんじゃないぞと。


 『ようやく復活ですか、今回は遅かったようで?』


 「もうそんな事ならないわ、そうね…武器なり身体のパーツなり使えそうなものが手に入る場所教えて…あるよね?」


 荒らされていなければ電力さえあればオートマトン製造工場なりパーツショップなりで腕はなんとかなるだろうと予測した。

 ちなみに今のところそういった作業を出来る人はいないがそれは置いておくとして。


 『この場合あるではなく、あったと表現した方が正しいでしょうか?ドクの妹のいた施設の組織や中央政府を占拠している者達があらかた占拠し物資は奪われた所ばかりです』


 「せっかくやる気になったのになんなのよ…」


 クティは思わずため息をつくと愛銃のグリップを座っているドラム缶へと叩きつけようとしてAT05G3の声に遮られた。


 『しかし』


 「しかし…?」


 『ここから数キロ先の生存者コミュニティにて物資の補給は可能だと思われます、武器となると怪しいですが代わりの腕なら』


 AT05G3の発言に何で今更それを言ったのかと疑問に思ったクティだったがAT05G3のことだ、直ぐに何か理由があるのだと察し問いかける。


 「なんでそれを黙ってたの」


 『素行の悪く非人道的な事を平気で行うこの街最大のギャングです、主にクティが暴れることによって友好的になることはないでしょう』


 「そんなすぐ暴れるわけないじゃない!?私だって大人なんだから大人しくするよ!?」


 帰ってきた答えにクティは怒りを露わにする。

 精神はオッサンで少しの事では動じないし怒る事もないはずなのだとまだ少しは信じ込んでいるクティである。

 実際には結構わがままだしすぐ不機嫌になるしコロコロと感情も移り変わるお子様な内面しかないのだが。

 ついでに言うとお子様舌で苦いものが無理だ、辛いものは今のところわからない。


 『クティには無理です、なんなら最初から敵対した方がうまくいくかと』


 「潜入任務も少しはこなしてきたよ!?」


 言い返すクティの脳裏には治安維持部隊にいた頃にギャングの拠点に仲間ヅラして潜入した事だ。

 ちなみにすぐギャングに対しての悪口とも取れる言動でバレてAT05G3と共に脳筋パワーで蹴散らしたのをクティは覚えていないし大抵の隠密作戦は失敗している。

 元々クティは潜入なんてものは不可能なのだ。

 それに以前バッテリーを手に入れようとしてゾンビの大群を呼び寄せた事からも察せるに以前との違う手の大きさからあまり手先も器用とは言えない。


 『無理です』


 だからこそのAT05G3の判断だった。


 「AT05G3からの私の評価がおかしいよ」


 『大人しく正面から攻め込んで下さい』


 「いいよもうそれで、んで戦力はどれぐらいなのさ」


 少し楽しみになってきたようでクティは愛銃の残弾を数えながら顔に笑みを浮かばせ。


 『オートマトンが数十体と人間が200と少しでしょうか、マイヤーからの補助を受けてサーチした結果なのでかなり正確かと』


 「わーぉ…すごい量…それ本当?」


 『クティが放心していた一晩中周囲の情報を集めていたので、それとマイヤーからの補助と言いましたが、ナノチップ操作にてシティ中の監視機材からも情報を集めました』


 「マイヤーさんいると得られる情報量がすごくて驚くばかりだよ…」


 AT05G3からの敵の情報に顔に浮かんだ笑みは凍りついていた。


 

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