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零話

「今から10年前、この国に恐ろしい災害が起こりました。首都の真ん中で突如大きな地震が発生し、東京は壊滅状態となり、様々な情報不足や誤報が飛び交ったことにより、日本全体が混乱に見舞われました。」


 暑い空気のなか、「首都圏大地震」特番のナレーターが淡々と文字を並べる。この日はその災害のちょうど10年であるらしくどのテレビ番組もこの事しか取り上げない。なんてつまらない、終わったことを取り上げてなんになるというのか。

 「被災者、死者は合わせて20万人しかしこの災害が『史上最凶』と言われる由縁は別のところにあります。当時東京の外れにとある研究所がありました。その研究所は他と違い、警察が取り仕切っていない国家の所持する、最も謎に包まれていた研究施設で、全く情報もなく、存在しているというだけで、どのような研究が成されていたのかさえも憶測の範囲から出ない。まさに謎の研究所です。」

 そう聞いておもむろにスマホへ手を伸ばし、検索エンジンに"首都圏大地震 研究所"と入力する。すぐに画面にはヒットしたもので埋まった。どれもこれも、噂に尾ひれをつけたような考察ばかりだ。それに、何が史上最凶だと言うのか、今や自然災害より「生物兵器」だろう。数十年前に生物兵器の禁止法も出たらしいが、ここまで研究が進んでいれば、どうせ守ってやしない。アメリカの方じゃ、ウイルスや微生物をばらまくだけじゃあきたらずに動物実験による生物兵器を造ったりしているそうだから。


 「当時、建物自体に損傷はありませんでしたが、大きな揺れにより、ガラスが割れたり、陰圧等の設備に支障をきたしていました。よって中の病原体や微生物が外へ出、研究所内の研究員、周囲の動植物への被害が出ることとなりました。」生き残りの人だと自称する人のサイトがあった。乾いたタップ音が響く。私たちを襲ったのは感染した動物達なんかじゃない。人間だったんだ?何ふざけたことを。キメラみたいな異様な奴等の姿を見て気でも動転したんじゃないか。

 山ほど見た画像が頭に浮かぶ。受験勉強の際に嫌でも覚えるほど出た。そして、これからも覚えなければならないだろう。

 何故なら。

「何時までテレビ見てるのー?入学式に遅刻とか笑えないからねーっ。急ぎー。」「わかったって。」テレビを消し、スマホを制服のポケットに入れる。そして、玄関の前の鏡をふと横目に見る。

 



--何故なら、私は今日から生体・呪学総合学園に入るのだから。

入学式は次回します

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