来てほしくなかったメール
◯ソウマ
“この世界は過去の自分にとって、きっとパラレルワールドに違いない”
「パラレルワールドか」
並行世界・・・だったかな
よく時空ものの物語に出てくる。
バック・トゥ・ザ・フューチャー、ターミネーター、バタフライエフェクト
たしか、自分が本来生きている世界とはまた違う世界みたいな感じで。
えっと・・・
本を脇にはさんで、僕はカバンからスマホを取り出した。
ネットで調べようとスマホのロックを解除したところで思い出した
あ、そうだ。メール、きてたんだ。
メッセージの受信ボックスを見つめた瞬間、僕は思わず目を見開いた。
そんな、まさか・・・。
それは意外な人物、いや、いつかくるかもしれないとは思っていた人だがくることがないことを祈っていた人物だった。
僕は震える指で、その人からのメッセージを開いた。
案の定そのメッセージを読み終えるまでもなく、僕は全身の力が抜けていくのを感じた。
持っていたスマホを、脇にはさんでいた本を、カバンを全て落としてしまった。
ああ、だめだ。
そしてそのまま座り込んでしまった。
目の前が真っ暗になっていく。
だめだ。だめだよ。
立ち上がることもできなかったが、何よりも涙がとまらなかった。
同時に覚悟なんてあってないようなものだということを僕は心から感じていた。