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魔臣物語  作者: 屋村要
1/1

プロローグ 魔臣の罠

ちょっと初めてだし、書いてみるか・・・

あ、気が向いたら書きますし、読んでもらえたら幸いです。



 ベルフェリスは今日も眠れない。あの人の言葉が頭から離れない――――――――――――それだけだ。

 忘れようと努力してもムダだった。あの日の光景を昨日のことのように思い出せる。

 ・・・・・毎晩、夢に見るからだ。


「――――――――――――俺は英雄になりたいんだ」

 

 常々、子供の頃に抱いた願いを忘れないように口にしていた。

 私は覚えてる。忘れることができない。それだけ強く願っていたのだ。

 何故ならそれがあの人の夢で・・・・・・私の望みでもあった。

 部隊全員が共通した認識で、夢だった。

 あの人の夢は必ず叶う。そう信じていた。そのはずなのに・・・・・・。


「敗残兵!」「恥知らず!」「なんで生き残った!?」「勇ましく死ね!」「今更遅いんだよっ!」「もっと早く消え失せろ!」「屑が!」「死んで詫びろ!」「貴様なんて―—――――――――」


 ――――――――――――――英雄失格だ!


 無数の聴衆たちが調和した罵声の嵐。やむことはない。誰も彼もがあの人を否定した。すべてだ。

 あの人はそれでも処刑台へ突き進む。自ら迷いなく歩んだ。

 ――――――――――――それなのに、どうして。

 ずっと苦笑ではなく、秋晴れの空を眺めるような清々しい表情(かお)で、すべてを見渡せていたのはなぜだろう。分からない。

 その理由を教えてはもらえなかった。最期まで。その機会も時間さえ、用意されなかった。

 だから、ずっと考えている。答えは出ないと分かっていても、考えてしまう。

 もう、夢は見ない。あの人はもういない。

 残ったのは、悪夢と――――――――――――復讐だ。

 あの人は戦争で負けた。それはいい。命を奪ったのも許せる。だけど――――――――――――

  

 ――――――――――――どうしてあの人から夢を奪った!? それを奪う権利は神でさえないはずだ!

 ・・・・・・・・・・・・・・許せるものか。必ず復讐してやる。



 ――――――――――――魔臣レオポルド・フォン・ゲルラッハ。貴様を許さない。



 魔王軍大将、べリス王国執政、帝国海軍名誉中将・・・・・・。

 飾りだけなら十分だ。だが奴は英雄ではない。

 数百年を生きる魔人――――――――――――化け物だ。人ではない。

 倒す手段が見つからない。それでも、思い知らせてやる。

 奴が奪ったものすべて・・・・・・奪い尽くす。これだけが私の生きる理由。

 それがわたしの復讐だ。ほかに何もいらない。

 

 ・・・・・・たぶん間違いなく、あの人は望まないだろう。あの表情が時折、訴えてくる。

 それでも、変えられない。私は決めたのだ。

 魔臣を倒し、あなたの墓標に添えると。

 そうでもしなければ私は、納得できないのだから・・・・・・。








 ――――――――――――――――――――――――ごめんなさい。

 





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― 新着の感想 ―
[良い点] 言葉の使い方が上手くてスラスラと読めます フリガナの当て方一つでも非常にすんなり読めてそれでいて心に残る言葉の使われ方だと感じました 教養がやはり違うんだなぁ… [一言] もしパスワードが…
2022/03/12 03:36 退会済み
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