ゴールドラッシュ(本編)
オーク・リッチーはバンジマリー城城下町に辿り着きました。
金になる噂を聞いたため。
それは国自体が発信しているクエスト「ゴールドラッシュ」。
魔物の落とす「魔力の結晶」と言う代物を国が集めているため冒険者等に呼びかけられているのです。
オークがその噂を聞いたのは野宿する冒険者を狙って待ち伏せていた時のことです。
冒険者がその話をしながら見張りをしていたので、ゴールドラッシュや魔力の結晶のことを知り城下町に訪れました。
もちろん冒険者のアイテムを根こそぎ盗んでから。
『と言う導入部を踏まえて計測開始です 00:00』
――――バンジマリー城城下町
オークはお得意の裏買取屋に立ち寄り、今回の成果を売り払います。
『盗賊という身分である故に足元を見られ少額で買い取られてしまいますが文句は言えません』
「リッチー、魔力の結晶って知ってるか? 最近国が血眼になって探してるっていう」
鑑定しながら主人はオークに声をかけてくるので、
「最近噂になってるみたいだな、こいつの事か?」
と返しながら盗んだ冒険者の鞄からある結晶を取り出します。
「相場はいくらだ」
「話が早いね、1つ1000Gでどうだ?」
「了解」
「っと、合計3250Gだな。お前の目標金額まで10万Gか」
主人が鑑定し終えるとG、ゴールドを袋に入れてオークに渡されます。
オークは袋を受け取るとすぐに裏買取屋から出ていきました。
「あてがある。次に来た時が最後だ」
『目標金額:0G 04:28』
――――トアル草原
新人冒険者がスライムと戦っています。
オークは《隠密行動》で新人冒険者と戦っているスライムの背後を取って素早くナイフでスライムの核を突いて一撃で葬ります。
『奇襲や暗殺はお手の物です』
「わ、わぁ……凄いですね!」
褒められ慣れていないオークは少し照れながらも溶けだしているスライムから核を取り出します。核は溶け終わるとキラキラと輝く結晶になりました。
「お前、これを集めてるんだろ」
オークは新人冒険者に魔力の結晶を渡します。
「あ、ありがとうございます」
「狩りをする時は1人だと相性悪くてな。稼ぎを半分にして組まないか?」
『やろうと思えば1人でも可能ですが、別の理由があるのでパーティーに誘います』
「こちらこそ!」
イレイと名乗る新人冒険者を仲間にしてショサイノ大陸の西にある火山へと向かいます。
『目標金額:0G 07:56』
――――ハイファイ山
今なお動いている活火山であるハイファイ山には空を飛ぶモンスターが多く存在します。ここのモンスターに対する有効的な手段は魔法や弓などの遠距離攻撃なため、イレイに手伝ってもらいます。
オークは《隠密行動》で姿を隠します。
オークは隠れているので、イレイに襲ってくるモンスターを1匹ずつ仕留めます。イレイは防御に徹してもらいます。
『乱数調整が使えればもっと早く進められるのですがRTAなので妥協です。1度《隠密行動》を解除し誘導ができたら良いのですが、敵にバレた状態での《隠密行動》は効果がないのでイレイを誘導する等で出来る限りの短縮を目指します』
「これで47匹……かな?」
「そうだな。一旦休もう」
岩場の断崖絶壁で足元が良くない場所ですが、周りのモンスターは大体狩り尽くしたので安心して腰をかけて休みます。
47匹狩ったため、魔力の結晶は47個、つまり47000Gとなります。
「おい、あそこに見えるバンジマリー城が見えるか?」
「うわぁ、すごい! ここまで登っ……え――」
イレイを崖から突き落とします。
『盗賊なので罪悪感に慣れてしまっています』
「じゃあなイレイ。いや、ありがとな。勇者様」
念の為《隠密行動》を発動しながら下山しバンジマリー城城下町まで戻ります。
『目標金額:0G 36:48』
――――バンジマリー城城下町、裏買取屋
「これは、いやにすごい高級品だな」
「あぁそうだろ。いくらになる?」
勇者を突き落として手に入れた片手剣、盾、掠め取ったアイテムと魔力の結晶を売ります。
「100352G……だな」
『目標達成によりここでタイマーストップです。 39:24』