ファイナルレジスタンス(本編)
プレイヤーです。
『解説です。簡単な補足や説明を入れていきます』
今回の世界観については前回のレギュレーション説明の時に書いているので興味があったら読んでください。多分必要ないです。
今回の目的は「世界を支配する魔王を討伐する」です。
今回は現実世界からの転生者で進めます。
名前は浦霧夜美です。
女子高生で美人です。転生前に付き合っていたイケメンが他の美人に浮気して捨てられそうになり、イケメンを包丁で刺し殺そうとしたところ返り討ちにあって逆に殺されて転生しました。
『設定が病んでますが美人というステータスを得るために独占欲が強く面食いな上病ませて釣り合いを取りました』
転生者は特別な力をひとつだけから与えられ転生します。
『天は二物を与えず、と言いますからね』
特殊能力は《一撃必殺》「当たれば相手を一撃で葬る能力」を受け取ります。
それでは転生します。
――――――――――――――――
――――――――
――――
夜美は目覚めると王室の間にいました。
王様が何かを喋っていますが何を言っているのか分かりません。
『転生者は異世界語を知りません』
「何言ってるのか分かんないだけど、ちょっと私こんな堅苦しいところは苦手なので帰りますね」
と言いながら夜美は王様の話の途中で王室の間を出ました。
それから夜美は城下町でも異世界の言語を全く理解できずに途方に暮れていました。
「みんな何を言っているのか分かんないし、これからどうしたらいいのかなぁ」
と悲観していると夜美の元にイケメンが現れました。
イケメンは夜美と意思疎通が取りたいようです。
「こんにちは! あたし夜美☆」
とキャピキャピしてもイケメンも転生者の言葉が分からないので困っています。
夜美はイケメンに抱きつき胸を腕に押し付けながら「夜美、だよー☆ 夜美、夜美ー☆」と誘惑します。
イケメンは夜美の名前を把握しました。
夜美はイケメンの家に居候になって1ヶ月滞在することにしました。
1ヶ月異世界に滞在し、イケメンに言語をがんばって教えてもらった結果夜美は異世界語を習得しました。
その結果この世界は魔王に支配されかけていること、そして人間が防衛していたギリギリの境界線は先日突破されてしまったことを知ります。
『イケメンの名前はイケ・メーンだと分かりましたがイケメンのままにします』
「ねぇ、イケっちー? また仕事に行くのー? 外は危険だしあたしと一緒にいようよー?」
「いやでも、俺だって故郷の村を守りたいし……」
『建前上立派なことを言っていますが夜美の独占欲に疲れています』
「ふーん……そうやって浮気するんだ、あなたも」
「え、夜――」
夜美は《一撃必殺》でイケメンを殺しました。
『元々殺害を試みて殺されたので殺人に躊躇がありません』
しばらく経つと魔王軍の手下がイケメンの家に侵入しました。
夜美は美人なのでその場では殺されずに捕らえられました。
逃げることも可能でしたが失恋したような気持ちの夜美は入れられた馬車の中で泣いていました。同じように泣いている少女が周りにも沢山いました。どうやら人攫いのようです。
『彼女達が泣いているのは別の理由だと思います』
しばらく馬車の中で揺らされているとその揺れは突然収まりました。どうやら目的地に着いたようです。
魔王の手下に馬車から降ろされるとそこには魔王が威厳を放ちながら立っていました。それを見た少女達は全員震え、中には泣いている子もいましたが夜美だけは魔王の眼をじっと見つめていました。
思っていたよりも人型で魔王はイケメンでした。
魔王はそんな夜美を見て、
「我を恐れぬか……強き眼差しをしておる……良し、お主を我の婚約者としよう!」
と婚約されて夜美は「はい!」と躊躇わずに承諾しました。
それから魔王の城の魔王の部屋で暮らしていましたが日に日に夜美の独占欲は強くなります。
「城を出ないで」「このフロアから出ないで」「部屋を出ないで」「ベッドから降りないで」
魔王は部下を使えば束縛するような事への承諾を得ても不自由がなく、夜美を大切にしたいので受け入れ続けていましたが、ある日事件が発生します。
「動かないで」
と告げた夜美に魔王はベッドの上で縛られてしまいました。
とは言っても人間が縛った程度のものなのでちぎろうと思えばすぐちぎれます。
その日夜美は魔王をどうしたら自分のモノにできるか魔王の眼差しを見つめながら考えました。そして思いつきました。
「あなたを殺して私のモノにするね」
『ここで目的である「世界を支配する魔王を討伐する」と言う目標を立てたので測定開始です』
そして魔王が抵抗する間すら与えずに《一撃必殺》で魔王を殺しました。
『目標達成したので測定終了です』
「うふ、ふふふふ。これで魔王は私のモノ、もう誰も愛さない。私しか愛してなかった。過去のクソみたいな、あ、クソに失礼か。あんな連中のように浮気しなかった」
「愛しい愛しい、魔王よ。あなたの子はお腹にいますよ……」
夜美は死んで日が経ち腐りかけてきている魔王の頭と自分のお腹を撫でながら愉悦に浸っていた。
『今回のタイム 00:02』