これはヒロインであってヒロインではない
契約、つまりはパートナー、パーティーメンバーになってくれと言うことであろう。
確かにゲームならよくある話である。
「契約を…結んでくれませんか?」
動くたびにショートヘアーの美しい銀髪がなびいていく。顔を少し覗いてみると、宝石のような大きく輝く目、少し頰を赤らめている美少女。ラノベとかなら間違いなくヒロインルートの子である。
「えっと…契約っていうのはパーティメンバーとかになってくれってことだよね?」
「……いえ違います…女の子から言うのは…恥ずかしいです//」
なんだ!?この反応は!まさか俺に一目惚れしたってことか?確かに自分でもまぁまぁ魅力はあるなと自分なりに思っているが、やっと認めてくれるのか!しかもこんな可愛い銀髪美少女が!
「分かった。…俺はそこまで鈍感な男じゃない。その誘い受けてあげよ……」
「何変な妄想してんの?私がお前のこと好きだとでも思っていると思ってんの?自分に魅力があるとか思ってんじゃねぇか?戯言ほざいてんじゃねぇぞクズが」
は?
「あのな、契約っていうのはお前がそのクソレアっぽいスキルゲットしたんだからそれについていかせろって行ってんだよ、なんで女子の口からついていかせてなんて言わなきゃいけねぇんだよ。お前どうせ彼女いたことないただのボッチオタクだろ」
そう彼女は蔑んだ目で侮蔑して来た。
おいおい嘘だろなんだ急にドSになったのか?
あまりの唐突な状況に頭が追いつかなかった。
「い、いやぁ、、そのぉ、まだ俺はこのゲームのことよく分かってないし…」
「私が…付いて行っては…おじゃまですか?」
そう最初の人格に戻ったかのような優しい口調と可愛い顔でいってきた。
「はい!よろこんで!」
俺を落とさせるのには十分であった。
「ありがとう……嬉しいな」
そう言って頰をさらに赤らめて言った。
いったいこの子はなんなんだろうか。
そんな疑問を強く生きながら俺達はワープホールに乗り
最初の街ーーーシルビィ・ロードに到着した。ーーーー