序章
初めてのオリジナル小説です。
温かい目で読んでいただければ幸いです。
カタカタ……カタカタカタ……カッ、
「ふぅ……」
そうして投稿ボタンを押す。
『投稿されました』
ピコーンという音と共に画面に文字が出る。
画面には、
『Shin master blog』
そう大きな文字で書かれた下に色々な記事が書かれていた。
『FPSの立ち回り基本』
『RPGの隠しコマンド』
『あの新作ゲーは』etc……
それらは俺 [四季真] が著しているブログである。
俺は日本でそこそこ有名なゲーマーである。大体のランキングの上位には乗っているだろう。
独特の名前が決まらず、真を真と読みShinとだけ変えているだけである。
投稿したとほぼ同時にハートマークが3つほどつく。
「俺もそこそこ有名になった方だな……」
きっとこのブログの新着通知をオンにしている一般人がいるのだろう。
外から蝉の声が窓越しに聞こえてくる
「……もう半年たつのか。」
俺は半年前、親に望まれて高校受験をし希望の高校に入学することができた。
もともと成績はいい方だったということもあり試験は難なく受かることができた。
しかし入学してからが問題であった。
元々中学では友達を作れずネットの世界へと逃げたのであったから、当然高校に行っても同じということはわかっていた。
リアルでのコミュニュケーション能力が0に近く、入学したものの友達が出来ず自然と周りから引かれるようになった。
さらに頭がいい事を妬む連中も当然出てくるものだ。
「あいつ少し頭いいからって俺らのこと見下してるんだよなぁ。内心ではこいつら馬鹿すぎて話にならないとか思ってんじゃね?ww」
「それなぁーー!!ww」
「ちょw聞こえるってw」
「え?聞こえちゃダメなんw」
「それもそうやなw」
そんな会話が毎日聞こえていた。
そうして廊下を歩くとひそひそと話され笑われたりゴミを投げつけられたりだんだんとそれは悪質な攻撃となっていった。そうして極め付きは先生の存在だった。
普通ならいじめられている生徒を守るのが先生の役目であろう。しかしこの先生は、自分が生徒にやられるのが怖いというなんとも情けない先生であった故に、最初は気にしてくれたもののだんだんと無視されてしまうくらいになってしまった。
唯一の弱点である俺のメンタルはあっけなく壊されてしまった。
ゲーム上でキルされることは怖くないのに、何故こんなにも現実は違うのだろう。
そうして学校に行かなくなったのはそう昔のことではない。
今でもその時の記憶が忘れられない。そういう時はよく集中できるゲームをやって忘れるようにしていた。
「世の中こんなクソゲーみたいなものか。」
そう嘆いた時であった。
ピコンピコンピコン 何処も彼処もから受信音がなった。
「うわっ…………なんだ?」
まずは目の前のパソコンを見てみるするとそこには
『四季真さん及びShinさんへ。あなたは厳正なる抽選の結果、見事、あるゲームのβテストに当選されました。
βテストの開始期間はこのメールを開封した5分後からです。尚、今からあなたを心臓発作を起こし、亡くなっていただくことにします。拒否権はありません。拒否権はありません。
しかし、このゲームのデータを充分に集める、及び序列
のトップになることが出来れば、元いた世界に、願いを一つ叶え戻してあげましょう。
では参加お待ちしております。』
すぐにスマホやらガラケーやらを調べてみても同じことが書かれていた。
何処にいても逃げられないという事だろか。
いや冷静に判断している場合じゃないなうん。……
……………………………………………………
………………………………………………………
「どういうことだあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!!」
あああぁぁ……あぁぁ……ぁ……
やばい外からのオーラが凄いことになっている。
でもしょうがないじゃんか!なんだよこれ!死ぬのか?俺死ぬのか?
意味不明だあああああああああぁぁぁぁ
「急におかしいだろこんなの!俺はこんな抽選に応募した覚えはないぞ!それに……」
しかしその時、高校でのあの攻撃の記憶が蘇ってきた。
「……こんな世界から逃げられるのかな。」
新しくゲームの世界で生きる……そういうのもありかもしれないと思ってしまった。
俺という人間の無力さを感じた。しかしこの世界を一刻でも早く去りたい、その気持ちが勝った。
同時に両親の存在を思い出した。
その前に両親に少し話しとこっかな……
そうして久しぶりに自分の部屋のドアを開けた。
階段を降りる。なんて言おうかな……今までありがとうかなやっぱり……
そうしてリビングのドアを開ける心の準備をする。
「ふぅ」
よし、いくぞ
そうして俺は
リビングをあけ
あけ……
床に体が叩きつけられた。
おいなんだこれ俺立つ事も出来なくなったか?
いや違う…
これがメールに書かれていた心臓発作か
くそぅここまでリアルは厳しいのか……
最後くらい何か言いたかったな…
そうして意識が無くなっていった。
目が覚めるとざっとみて数百人の人間とでかいモニターが目の前にある暗い部屋にいた。
周りの人達は混乱して騒然となっていた。
しかし、その声も一気に消えていった。なぜなら、
「ようこそβテストに当選した人間達よ」
そう低い声が部屋に流れてきたからだ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
次の話が読みたくなって頂ければ嬉しいです。
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